UberがEatsや自動運転部門で新たに350人解雇

Uberは、社内のさまざまな部門で計350人ほどを解雇した。これは今年初めに始まった一連のプロセスにおける3度目にして最後の解雇となると、CEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は米国時間10月14日、従業員に宛てた電子メールに書いている。TechCrunchが入手した電子メールの全文は記事末のとおりだ。解雇の対象となったのはEats、パフォーマンスマーケティング、高度テクノロジーグループ、人材採用、そしてグローバルライドとプラットフォーム部門内のさまざまなチーム。また、一部の社員は配置転換が打診された。

「今日のような日は私たち全員にとってタフなものだ。今後このような日がないよう、できる限りのことをするつもりだ」とコスロシャヒ氏は書いている。「我々は皆、どのように働くか新たな常態を確立することで、それぞれの役割を果たす必要がある。その新たな常態の確立とは、業務の重複を特定してなくし、パフォーマンスを高い水準で維持し、また目標を達成できなかったとき直接的なフィードバックを提供して行動に移すこと、社内で増えつつある煩雑な手続きをなくすことだ」。

Uberの広報がTechCrunchに語ったところによると、解雇者数は全部で社全体の1%にあたるとのことだ。今回の解雇は、Uberがマーケティングチームの400人を解雇して3カ月もしないうちに、そしてプロダクトとエンジニアリングの部門で435人を解雇して1カ月もしなうちに行われた。これでUberの大半の部門で解雇が行われたことになる。

自動運転部門においては、今年初めに独立部門としてスピンアウトして以来、今回が初の解雇となる。Uberは以前、この部門が1200人超で構成されていると語っていて、広報によると、今回の解雇後でも1200人超を抱えているとのことだ。4月に行われたATGの10億ドル(約1080億円)の資金調達に基づくと、自動車運転部門のバリュエーションはポストマネーベースで72億5000万ドル(約7860億円)だ。

今回の解雇の70%超が米国とカナダの従業員で、残りはAPAC、ラテンアメリカ、EMEA(ヨーロッパ、中東アフリカ)の従業員となる。

TechCrunchが以前報じたように、こうした解雇はコスロシャヒ氏が各部門の責任者に、それぞれの組織をゼロから見直すよう求めた結果だ。

「ご存知のように過去数カ月、部門の責任者たちは今後数年間で成功できるような体制になっているか注意深く見直した」とコスロシャヒ氏は従業員向けに書いている。「この結果は厳しいものになったが、正しい人材が正しいロケーションで正しい任務につくようにするために必要な変化だ。これこそが、常にトップパフォーマンスを追求できるようにする」。

2019年第2四半期、Uberは50億ドル(約5400億円)超の赤字だった。四半期の赤字額としてはこれまでで最大で、赤字の大半は同社が5月に行なったIPOに伴う従業員への株ベースの保障によるものだ。

Uberの事業の他部門では、いまだに1099人が独立契約者のままでいるドライバーの保障に引き続き投資している。LyftDoorDashと同様、Uberもすでにドライバーを独立契約者として位置付けられるようにする2020年投票イニシアチブに3000万ドル(約33億円)を投じている。ギグワーカー保護法案AB-5がカリフォルニア州の上院を通過したことについて、Uberの法務責任者Tony West(トニー・ウェスト)氏は同社がさならる資金をキャンペーンイニシアチブに投入することを明らかにした。カリフォルニア州のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事は法案に署名していて、新法は2020年1月1日に発効する。

ウェスト氏は「Uberがテストをパスし、ドライバーが正しく分類されていることを証明することになると信じている」と語ったが、もしこのテストに失敗すれば経済的打撃を受けることになる。ウェスト氏はその影響がどのようなものになるかコメントしなかったものの、産業アナリストはドライバー分類の変更はコスト30%増になるかもしれないと予測する。

Uberは第3四半期決算を11月4日に発表する予定だ。同社の株は現在31.26ドルで取引されていて、IPO価格45ドルを下回っている。

「Stronger moving forward(さらに力強い前進)というタイトルのコスロシャヒ氏の電子メール全文は以下の通りだ。

Uberチームへ、

ご存知のとおり過去数カ月、責任者たちは今後数年間で成功できるような体制になっているか注意深く見直した。この結果は厳しいものになったが、正しい人材が正しいロケーションで正しい任務につくようにするために必要な変化だ。これこそが、常にトップパフォーマンスを追求できるようにする。

数カ月前にマーケティングチームで始まり、直近ではプロダクト、エンジニアリングのチームであった一連の解雇は今日で最後だ。今回はATG、Eats、グローバルライドとプラットフォーム、パフォーマンスマーケティング、人材採用の部門が対象となった。この解雇に伴い、一部の従業員には配置転換が打診され、350人が社を去る」。

今日のような日は私たち全員にとってタフなものだ。ELTと私は今後、このような日がないよう、できる限りのことをするつもりだ。我々はみな、どのように働くか新たな常態を確立することで、それぞれの役割を果たす必要がある。その新たな常態の確立とは、業務の重複を特定してなくし、パフォーマンスを高い水準で維持し、また目標を達成できなかったとき直接的なフィードバックを提供して行動に移すこと、社内で増えつつある煩雑な手続きをなくすことだ。

我々は、世界で最も野心的でイノベーティブな企業の1社であるばかりでなく、最も回復力のある1社でもあることを証明してきた。我々は常に困難な時期を乗り越えてきていて、これが社をより良いものに、そして強いものにしている。これは明日にも、明日以降にも言えることだ。

いつものことだが、明日(米国時間10月15日)全社会議を行い、質疑応答に大半の時間を割く。質問があればslidoに投げてほしい。

目を前に向け、基礎固めに戻る。

ダラ

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(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

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