Uberは同社のサービスを呼び出す”Request A Ride”ボタンを、すべてのモバイルアプリに載せたいと願っている。同社はこのほど、デベロッパに対する人参として、ユーザの登録一人につき5ドルの報奨金を提供することにした。地図アプリやレストラン、旅行、ナイトライフ(バーなど)関連のアプリなら、デベロッパにとってかなりの収入になるかもしれない。
デベロッパがUberのAPIを使うためには、ここで登録する。支払は総額が250ドルに達したら行われ、5000ドルを上限とする*。5000ドルを超えてさらに稼ぎたいデベロッパは、Uberのパートナー事業に加わる必要がある。APIからUberを利用するユーザは、最初の乗車(20ドルまで)が無料になる。〔*: 5000ドルを超えたらUberのパートナーになれる、とあるが、意味がよく分からない。〕
UberがAPIをローンチしたのは昨年の後半だが、利用するデベロッパは少なかった。ローンチ時のパートナーは、OpenTableやStarbucks、TripAdvisor、United Airlines. Sinceなどで、その後Foursquare、Hinge、Microsoft、そしてPebbleが加わった。
Uberのユーザの一人あたりの売上は長期的にはかなりの額になるだろうし、類似サービスとの競合もあるから、顧客獲得にこうやって金を使っても長い目で見れば得になる。料金の20%がUberの取り分だから、デベロッパへの5ドルの報奨金はたぶん最初の取り分額に相当するだろう(平均の料金が25ドルと想定して)。
でもUberはこれまで数十億ドルを獲得し、世界でもっとも資金が潤沢なスタートアップのひとつだから、顧客獲得のためのそれぐらいの初期投資は平気だ。むしろ今日のニュースは、その資金を企業の成長のためにつぎ込んでいく姿勢の証だ。相乗りサービスのUberPoolを始めたのも、実質的な低料金化で新規顧客獲得の幅を広げるためだ。
同社は、Lyftなどの類似サービスとの競合があるだけでなく、保有車両を現代化してUberの人気な部分を真似ようとしている既存のタクシー会社とも競り合っている。
この、各種のモバイルアプリが実質Uberアプリにもなる、という孫悟空的な分身増殖ワザが成功したら、もちろん合衆国以外の市場でも当然やり始めるだろう。