パリを拠点にするVirtuoはカーレンタルを扱う新しいスタートアップで、空港や駅で車を借りることをより簡便化しようとしている。指先のタップひとつで車を呼びつけることに慣れた、いわゆる「Uber世代」をターゲットに、同社はテクノロジーと自社の所有するメルセデスを組み合わせることで、既存のカーレンタル大手のAvis、EuropcarやHertzなどに挑戦している。
「電車の駅や空港で車を借りるのはたいへん骨が折れスムーズには行かないし、カーレンタルの大手は新しい世代の旅行客の要求に応えられていない」と、Virtuoの共同設立者であるKarim Kaddouraは述べ、モバイルファーストとUberの様な切れ目のないユーザー体験を挙げた。
この目的のためにVirtuoのモバイル用アプリは登録が5分で完了することを謳い文句にしている。登録にはアカウントの作成、クレジットカード情報入力からIDカードと運転免許のスキャンが含まれる。後者に関してはアプリ内で顔認識技術が使われており身分詐称を未然に防ぐようになっている。
加えて、同アプリはVirtuoの車がある駐車場まであなたを誘導してくれる。そこでスマホに「デジタル鍵」をダウンロードし、アプリ経由で車を解錠することになる。
実際に走り出す前には、車を点検して、もし車に既に傷などが付いていれば、損傷箇所の報告書を確認する必要がある。もし報告書にない凹みがあれば、アプリ経由で写真を撮ってアップロードする。
おそらくこのセルフサービスの部分でVirtuoは経費の削減が可能で、既存の大手のようにチェックインデスクを構え人員を配備する必要がなくなる。
「我々はスマホだけで100パーセント物事が完結する、手間要らずなカーレンタルの仕組みを構築しました。登録から車の施錠と解錠まで、すべての過程がアプリで出来、ユーザーはカウンターで行っていた手続きを省略してほんの数分で走り出すことができるのです」とKaddouraは説明する。
「加えて、我々の提供する車はメルセデスのAクラスのみなので、顧客は期待通りの車に乗ることができ、それらの車には高水準の装備が施されています。すべての車はナビ、Bluetooth、自動変速装置が標準です」
値段は1日€49からで、ドライバーの追加は無料でできる。Virtuoのアプリは車することで走行距離と消費燃料もモニターする。そして、もしVirtuoのスタッフと話をする必要があれば、アプリ内蔵のチャット機能を使う。
ローンチに当たって、Virtuoはパリ内の複数の駅 (パリ北駅、リヨン駅、モンパルナス駅)と、フランスの首都の中心にあるシャルルドゴール空港とマドレーヌ寺院で利用可能だ。数週間内にさらに2つの空港、パリ=オルリー空港とコート・ダジュール空港が加わる予定だ。
「この市場は何十年にも渡って寡占が続き、既存の大手が業態を再考する必要はなかったのです。文化的には、カーレンタル業は高度な技術を必要とするわけではなく革新的な問題解決の手法を見つけ出すのが上手ではありません。というのもビジネスモデルがカウンターや代理店に過度に依存しており、具体的にはより高いサービスを顧客に勧められるかにかかっているのです」と、Kaddouraは付け加えた。
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(翻訳:Tsubouchi)