道に詳しくないUberの運転手に当たったことはあるだろうか?これはストレスの溜まる体験で、この問題についてUberの乗客からソーシャルメディアに多くの意見が上がっている。そこでUberは、運転手がスムーズに走行できるよう、街中の道を学べるiOSのモバイルゲームを作成した。まずはサンフランシスコに対応している。
UberDRIVEという名前のこのゲームでは、プレイヤーは典型的なUberの運転手の一日を体験することができる。ゲームの流れはこうだ。ゲームを開くと、一日の中で出会うキャラクターが複数登場する。プレイヤーは、乗客をピックアップして目的地に送り届けたり、インタラクティブなサンフランシスコの地図をタップして、標識などを確認することができる。
プレイヤーは、乗客からの依頼に応えてその場所に移動したり、効率的なルートを選択したりすることでポイントを獲得できる。プレイヤーがポイントを多く獲得するほど、より良い車や街の別のエリアをアンロックすることができる。
Miss Emilyというキャラクターがゲーム内でプレイヤーのゲーム攻略を応援している。(メモ:Miss Emilyは、現在Uberのドライバーオペレーションマネージャーを務めるEmily Wesloskyという実在の人物を元にしているという話をUberから聞いた。)
更にゲーム内には、サンフランシスコのランドマークに関するちょっとした情報も盛り込まれている。プレイヤーはトリビアモードでサンフランシスコ内の場所に関する知識をテストすることもできる。
このゲームは、およそ一年ほど前にサイドプロジェクトとして始まった。シニアプロダクトマネージャーを務めるMike Truongは、以前Loud CrowとElectronic ArtsでNeed for SpeedやGood Night Moonといったゲームの製作に関わっていた。彼は、街に新しくやってきて、道を覚えるのに苦戦しているドライバーを支援するのに今回のゲームのアイディアを思いついたそうだ。
個人的にも最近、新規の運転手が増えたように感じていた。まだナビをぎこちなく操作する運転手や「始めたばかりです」と話す運転手にも出会った。Uberから現在の公式な情報はないものの、彼らが1月に投稿したブログ記事では、およそ12%(約4万人)のUberの運転手は新規のドライバーであるというデータを公表している。
Uberはこのゲームをプレイすることを運転手に義務付けてはいないが、運転手が道を良く知り、乗客により良い体験を提供するための助けになるかもしれない。
UberDRIVEにはもう一つ用途がある。将来の運転手を採用するツールにもなるのだ。プレイヤーがゲームを攻略していくと、実際の運転手として登録しませんか、と尋ねるメッセージが現れる。プレイヤーが承認のボタンを押すと採用プロセスがゲーム内から直接始まる。
「UberDRIVEは、最適な道を選ぶスキルを向上させたいと思うパートナー運転手が楽しく続けられるためのリソースとなるよう設計しています。将来運転手になりたいと考える人がUberでの運転業務がどのようなものかを理解するのにも適しています」とUberはこの新しいモバイルゲームについてブログ記事で説明している。
Uberはこれまでもプロダクトをマーケティングするために様々な方法を試してきたが、その多くのキャンペーンは配達が中心だった。(食品や子猫のキャンペーンを行ってきた。)UberのスポークスマンはUberはゲームビジネスには参入しないと話していたが、タクシー配車サービスとしてはとても独特な方法である。運転手はゲームをプレイするのか?新しく若い、新入ドライバーの獲得につながるのか?それはまだ分からない。
私が体験した興味深い話をもう一つ共有したい。このゲームについてUberの本社に取材に行く時の話だ。私を迎えに来た運転手のRogerは、サンフランシスコ生まれで、Uberの運転手を4年ほど務め、一方通行と左折禁止があまりに多いサンフランシスコでの運転経験を積んだ運転手だった。彼は、目的地までの安全で効率的で最適な道をUberの指示する地図以上に知っていた。とても素晴らしいドライブだった。あまりに素晴らしい体験で、この記事のタイミングだっただけに、彼はUberの差金なのではないかと思ったほどだ。Uberのスポークスマンは笑って、そんなことありません、と話していた。
本当に偶然だったのかもしれない。だが奇妙な体験だった。いずれにしろ、このゲームで彼のようなドライバーが増えることを期待したい。
UberDRIVEは、今日からアメリカでなら誰でもApp Storeから無料でダウンロードできる。
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