Ubuntuが今度は200ドル以下の中級機スマートフォンをヨーロッパで発売

スマートフォン市場に再挑戦したUbuntu LinuxのCanonicalが、Ubuntuベースのスマートフォンを“数日後に”発売すると発表した。アンロック機でお値段は€169.90(~$190)だが、一部のキャリアが売るSIMバンドル版もある。同機はスペインのBQのAndroid中級機Aquaris E4.5のUbuntuバージョンとして、’Aquaris E4.5 Ubuntu Edition’という名前で売られる。

Canonicalのモバイルへの挑戦は、まず2013年にスマートフォンとデスクトップコンピュータを合体させたようなハイエンド機Ubuntu Edgeをクラウドファンディングで立ち上げようとして失敗した。その、キーボードとモニタをつなげばUbuntu搭載のPCとしても使えるデバイスは3200万ドルという巨額を集めることができず、そこで今回は謙虚に中級機で行くことにした。

ハードウェアの仕様もごく平凡な中級機のそれで、画面は4.5インチ、RAM 1GB、クアッドコアA7チップ(最大速度1.3Ghz)、内蔵ストレージ8GB、リアカメラ8MP、フロントカメラ5MP、デュアルSIMスロット、等となる。でも、下のビデオでお分かりのように、独特なのはそのソフトウェアだ。

Canonicalが作ったジェスチャによるUIは、Scope(s)と呼ばれる。ホーム画面にはさまざまなコンテンツを表すカードがあり、それらをスワイプして必要な機能を選ぶ。アプリのアイコンは画面の横端や、そのためのカード上に並んでいる。たとえば’Today’カードには天気予報やカレンダーがあり、’Neaby’カードには近くのお店やサービスがある。そのほか、’Music’カードや’News’カードなどもある。

iOSやAndroidがデフォルトで提供しているグリッド状のインタフェイスとは確かに違うが、PalmのWebOSや新しいBlackBerry OS、あるいはJollaのSailfishなどと似ている側面はある。すでに最初からSongkickやThe Weather Channel、TimeOutなどがコンテンツを提供してはいるが、マイナーなOSが独自のUIを採用した場合、デベロッパにとっては手が出しにくくなる。それは、消費者にとっても同じだろう。この製品の販売はオンラインのみなので、どこかの店頭で触ってみることもできない。

Canonicalによると、Aquaris E4.5 Ubuntu Editionはまず、向こう数週間、BQ.comが複数のフラッシュセールスサイト(GROUPONなど)で売り出す。売り出しの案内はUbuntuとBQのソーシャルメディアチャネルに出る。それは、Xiaomiの‘新製品発売案内ふうの在庫一掃セール’に倣ったやり方だろう。ヨーロッパのような成熟市場でそのやり方はしんどいと思うが、Canonicalは長期戦を覚悟しているらしい。

同社のモバイル担当VP Cristian Parrinoは曰く、“対象はマスマーケットなので、一気呵成には行かない。むしろ、徐々に、慎重に、市場への浸透を図っていきたい。力よりも知恵の勝負だが、勝算はある”、と。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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