無人ドローンによる配達がUPSネットワークで採用される。ドローンスタートアップのMatternetとの提携によって、UPSは医療サンプルの無人ドローンによる配達をノースカロライナ州レイリーのWakeMed病院で開始した。
連邦航空局およびノースカロライナ州運輸支局の認可を受け、UPSとMatternetは医療サンプルの定期空中輸送を日々運用する。これまでWakemed病院は自動車輸送に頼っていたため交通渋滞による遅延の恐れがあった。
ドローンによる配送では、まず医療専門家が医療サンプルや血液サンプルなどの検体をドローンに載せる。その後ドローンは事前に決められた経路を飛んでWakeMed病院の本院および中央病理検査研究所に送られる。
UPSとMatternetはその後プログラムを分析し、全米のその他の病院での輸送を改善するためにドローンを利用する方法を検討することができる。以前UPSは、Ziplineと提携して遠隔地域の医療輸送をテストしたことがある。
「無人航空システムは顧客ニーズを的確に捉え、ネットワークの効率を高めることでわれわれのビジネスが成長する機会を与えてくれる」とUPSの先端技術グループ担当VPであるBala Ganesh氏が声明で語った。
ドローンを配置することでコスト削減と効率化が見込める。Matternetは、昨年8月にFAAの無人航空機システム統合パイロットプログラム(IPP)の一環としてテスト飛行を実施した。
これ以前にMatternetは1600万ドルの資金調達ラウンドをBoeingのベンチャーキャピタル部門であるBoeing HorizonX Venturesのリードで完了した。最近FAAは、同局の無人航空機パイロットプログラムの一環として、米国病院のドローン輸送業者としてMatternetを指名した。2015年にMatternetは、スイス、チューリッヒで血液と病理サンプルを検査機関に運ぶテストを初めて実施した。
以来Matternetはスイスでの運用を拡大し、人口密集地域を1700回以上飛行し、850回以上患者サンプルを輸送した。
「UPSと共に、当社は米国の医療におけるオンデマンド輸送の現状をドローン配達ネットワークによって変革することを目標にしている」とMatternetのCEOであるAndreas Raptopoulso氏が声明で語った。「我々の技術によって、病院システムは医療物資をこれまでにないスピードで輸送することが可能になり、患者治療の改善と経費の節減に役立つことが期待できる」
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )