Valveが約4.4万円のポータブルゲーミングPC「Steam Deck」発表、欧米では2021年12月発売

ゲームハードウェアの分野に新たなチャレンジャーが現れた。ゲーム配信大手のValveは米国時間7月15日、PCゲームを外出先でもプレイ可能にする399ドル(約4万3800円)のポータブルゲーム機「Steam Deck」の発売を発表した。

この携帯ゲーム機は7インチ液晶ディスプレイを備え、4コア8スレッドのZen 2 CPU、AMD RDNA 2グラフィックス、16GBのRAMを搭載している。ストレージは64GBから512GBまであり、後者のスペックでは価格は649ドル(約7万1300円)になる。内蔵ストレージはmicroSDカードで拡張することが可能だ。

画像クレジット:Valve

当然のことながらこの製品は、Valveの人気プラットフォームであるSteam向けにカスタマイズされている(それは名前からも明らかだ)。ユーザーがSteamアカウントにログインするとライブラリやフレンドリストが表示され、すぐに使い始められるようになっている。また、専用のSteamボタンも付いている。

このシステムは以前から噂されていたが、ゲーミングが急速に進化している時代に世に出ることになった。基本的にValveは、(有機ELであろうとなかろうと)任天堂が自認するNintendo Switchのグラフィックの限界を凌駕しようとしている。一方で、Microsoft(マイクロソフト)のような企業によるクラウドベースのゲームが、レイテンシーやその他の技術的な限界に対処するために、まだ足場を固めていないというギャップを埋めることも期待している。またNvidia Shield Portableも存在するが、そちらのプロジェクトは最近あまりニュースを聞かない。

画像クレジット:Valve

1280×800のタッチスクリーンの両脇には、2つのトラックパッドとサムスティックが配置されている。また、内蔵ジャイロスコープは、動きを利用してゲーム体験をコントロールする。USB-Cポートが1つ搭載されており、充電や周辺機器、大画面への接続に利用できる。Valveの計算によると、40Whのバッテリーは7~8時間のゲームプレイを可能にするという。

画像クレジット:Valve

このシステムは現在一部地域で予約が始まっており、米国、カナダ、欧州連合、イギリスではホリデーシーズンに間に合うよう12月に出荷開始の予定だ(訳註:他の地域では2022年に出荷が始まると見られるが、まだ正式には発表されていない)。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:ValveSteamゲーム

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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