EバイクメーカーのVanMoofは最近、1億2800万ドル(約145億円)の資金調達を行った。そして、同社はすでにその資金の一部を使って、新製品となるハイスピードEバイク「VanMoof V」の開発を進めている。
このVanMoof Vはまだ発売されていない。代わりにVanMoofは、YouTubeのライブ動画でこの新製品を予告した。同社では、2022年末までにVanMoof Vを発売することを計画している(日本市場向けには2023年に導入予定)。公式ウェブサイトによると、価格は3598ドル、3498ユーロ、2998ポンド、そして日本では税込45万円になると予想されるとのこと。
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この価格で手に入れられるのは、前輪と後輪にそれぞれ1基ずつ、計2基のモーターを搭載した2輪駆動の電動自転車だ。前後にサスペンションを装備し、凹凸のある道でも安心して走行できる。安全性を高めるために、太いタイヤも装着されている。
YouTubeの動画によると、この自転車は最高50km/hの速度に達することができるとのこと。しかし、すでに電動アシスト自転車をお持ちの方はご存知のように、自転車のモーターアシストには規制がある。公道を走る場合、欧州では25km/h、日本では30km/hまでの速度に制限される。米国では州によって異なるが、いずれにせよVanMoof Vの最高速度よりは低い。
それ以上の速度で走れないというわけではない。管轄地域の最高速度に達すると、モーターがアシストを停止するということだ。メーカーではあらかじめ「VanMoof Vは法を犯すことを助長するものではありません」と述べている。
「Vがどのようなものになりえるかという想像を始めたとき、私たちはすぐに、道路の使い方に対するまったく新しいアプローチになるということで合意しました。VanMoof Vには、各国の規制に合わせた速度設定が組み込まれています。しかし、このバイクは50km/hまでのスピードを出せる技術と能力を持っています。現状では、世界各地のローカル規制がこのカテゴリーの最高速度に上限を設けています。しかし、長期的にはもっと大きな考え方が必要です」と、VanMoofの共同設立者でCEOを務めるTies Carlier(ティーズ・カーリエ)氏は、発表会で語った。
「私たちのビジョンでは、現在の政策はこの種の交通手段の普及を妨げているということです。私たちは、自動車ではなく人間のための政策を求めています。だからこそ、私たちは都市政府と協力して、ジオフェンシングの導入を検討しながら、時代に合った速度規制を推進していきます」と、同氏は続けた。
つまり、VanMoof Vは、VanMoofのビジョンを共有するためのコンセプトバイクであると同時に、世界中の政策立案者に向けたロビー活動の手段でもあると考えるべきなのだ。25km/hに達するために2輪駆動は必要ないので、同社は事前に計画を明らかにする必要があった。
とは言いながらも、すでにVanMoofは同社の顧客とクラウドファンディングの支援者たちに招待状を送っている。これらの招待状では、20ドル(約2270円)の前金を払うことでVanMoof Vを予約することができる。予約受付はすでに始まっており、納車は前述したとおり、2022年後半から2023年になる見込みだ。
画像クレジット:VanMoof
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(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)