バーチャルイベントプラットフォームのHopinは、巨額な企業価値を期待している。
TechCrunchが話した複数の情報筋によると、2019年半ばに設立された同社は、現在資金調達の巡回中で、資金調達前企業価値50億ドル(約5310億円)で約4億ドル(約420億円)を調達するシリーズCラウンドをまもなく完了するという。リードしたのはおそらくAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)とGeneral Catalyst(ゼネラル・カタリスト)の2社といわれている。
企業価値は60億ドル(約6370億円)までいくのではないか、と2つの情報筋は示唆しているが、同社が受け取った一部の提案条件によると希薄化が大きくなるという。契約条件は流動的で、ラウンドの規模、企業価値ともに今後変更される可能性がある。
ある筋がTechCrunchに伝えたところによると、同社のARR(年間経常収益)は6000万ドル(約64億円)に達しており、聞こえてくる価値額のとおりだとすると、企業価値マルチプルは80〜100倍になる。この種の倍率は、SaaSベースビジネスモデルの有望企業の資金調達ではありえない話ではない。
Hopinはこの数カ月間、資金調達に忙しくしている。2020年11月のシリーズBでは企業価値21億2500万ドル(約2250億円)で1億2500万ドル(約130億円)を調達、夏のシリーズAでは4000万ドル(約40億円)、その前の冬には650万ドル(約7億円)のシードラウンドを完了している。Crunchbaseによると、誕生からおよそ20カ月の間に、計1億7140万ドル(約182億円)をVCから獲得したことになる。
本誌が最後に同社について報じたとき、Hopinの年間経常収益はゼロから2000万ドル(約21億円)へと成長し、ユーザー基盤も事実上のゼロから11月には3500万ユーザーへと伸びた。当時同社は、5万のグループが同プラットフォームを使っていると報告していた。
Hopinのプラットフォームは、対面イベントの体験をバーチャルに変換するためのもので、展示フロアを歩き回る体験を再現するツールを提供し、1対1をネットワークでつないでファイアサイドチャット(炉辺談話)やパネルにも自然に参加できる。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック下で国内外の移動が強く制約され,ビジネスや教育のカンファレンスが軒並み中止となった時期に大人気となった。
ちなみに本誌のビジネスチームはDisrupt,Early Stage、Extra Crunch Live、あるいは来週のTechCrunch Sessions:Justice 2021などTechCrunchの報道イベントすべてをHopinで運用している(こうしたソフトウェアの選択とコストは、幸いなことに、私たち編集チームの権限の外にある)。
Hopinは現在バーチャルイベント分野のメガリーダーであるかもしれないが、突然生まれたこのバーチャル業界に挑んでいるスタートアップはここだけではない。Run The World(ラン・ザ・ワールド)は2020年資金を調達し、Welcome(ウェルカム)は「イベントプラットフォームのザ・リッツ・カールトン」を目指している。Spotify(スポティファイ)が参入を準備し、Clubhouse(クラブハウス)も強敵に違いない。InEvent(インイベント)は2021年シード資金を獲得し、Hubilo(ハビロ)も参入した。
本誌はHopinにコメントを求めている。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Hopin、バーチャルイベント
画像クレジット:Colin Anderson Productions pty ltd / Getty Images
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(文:Danny Crichton、Steve O’Hear、翻訳:Nob Takahashi / facebook )