VRはメディアコンテンツに変革をもたらすが、ヘッドセットは進化しなければならない

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仮想現実は、全く新しい没入的な体験を大勢の人に届けることを約束するが、まず既存のハードウェアは進化しなければならない。

NextVRの共同ファウンダーDave ColeとModsyの共同ファウンダーでCEOであるShanna Tellermanの共通の見解だ。VR業界のベテラン2名がTechCrunch Disrupt New Yorkのステージに登場し、誇大に強調されているが、潜在的に変革をもたらす可能性のある媒体の開発について語った。

Tellermanの会社は2月に800万ドルを調達し、ユーザーが自宅と同じ仮想空間の制作を可能とするサービスを構築している。ユーザーは仮想空間で様々なインテリアデザインや内装を試すことができる。VRでよく挙げられるゲーム、スポーツ、ポルノといったコンテンツとはまた異なるコンテンツだ。Tellermanは、初期のハードウェアを持つ白人男性以外にVRが浸透するにはまだ時間がかかるだろうと話す。

「現実には、最もVRを活用できる多くのコンシューマーはまだVRを自宅のリビングに置いていないということです。私たちはVRを支える素晴らしいテクノロジーを持っていて、住宅のデザインを行っています。VRが浸透した際にはそれを有効活用できる準備を整えています」と彼女は言う。

NextVRは最近シリーズAラウンドで3050万ドルを調達し、LiveNationとも契約を取り付けた。すでに Kentucky DerbyやNBAの試合といった複数のスポーツを放送している。多数の新機能も追加予定だという。例えば、位置のトラッキングや動きの検知などだが、Coleは自社のプログラミング開発の領域を広げたいと話す。

「広範なオーディエンス向けのコンテンツは一筋縄ではいかない課題です。私たちは現在、特定の分野にだけ注力しています。クリティカルマスが必要です。 VRがクリティカルマスに到達するにはコンテンツを提示する必要があります」と彼は説明する。

しかし、一回体験したら後戻りはできないという。「一回その体験をしたら、他の動画を見るのは水槽を眺めているような気分になります」とColeは言う。

仮想現実がクリティカルマスに届くにはどうすべきか?

時間の他にTellermanとColeはどちらも新しいハードウェアの体験が必要だと考えている。自宅で体験できる固定されたVRは仮想現実と拡張現実のコンテンツによる体験の潜在能力を示しているが、まだコストが高く、ぶかっこうで居心地が良いものではない。そのために限定的な初期ユーザーの中でしか利用されないだろうという。

「多くの人は顔に何かを着けるのに抵抗があります。トレンドはトレンディーな人から始める必要があるでしょう。シリコンバレーとか。たまには上手くかもしれませんよ」とTellermanは冗談を言う。「形状も良いものでなければなりません」。

「メインストリームになる前に形状は変えなければなりません」とColeも同意する。

NextVRのファウンダーは、LGが今年の初めに発表した軽量VRヘッドセットのプロトタイプ「LG 360 VR」について、これがアーリーアダプターより広いオーディエンスに仮想現実の浸透を促すタイプの端末だろうと話す。また、MicrosoftのHoloLensにも言及した。HoloLensは早くも成功を約束した機能の実現を見せ、開発に1000名以上のエンジニアが携わっている。

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「ヘッドセットより先があると思います。スマホかもしれないですし、目に映すのかもしれませんが、家に置いてあるゴーグルではないと思います」とTellermanは話す。

どちらもVRが次の真正なブレークスルーをもたらすと考え、3D TVのように失敗しないだろうと話す。

「3D TVはほんの少ししかテレビの体験に価値を加えることができませんでした」とテレビ業界に関連した会社を持つColeは説明する。「VRは人の視覚システム全体を使います。3Dではできなかったことです。iMaxシアター以上に、これまでの何よりも没入的な体験です」

「3Dゴーグルは失敗するかもしれませんが、VRコンテンツは別次元の没入感をもたらします。素晴らしいビジネスを作っているように感じています」とTelleremanは同意した。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

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