Magicfirst(マジックファースト)の最初の一般向けVR(仮想現実)ヘッドセットは、同社がこれまで宣伝してきたような画期的なものではなかった。それでも同社はデバイスがさらに広くコンシューマーの目に触れるようにするため大企業との提携を勝ち取った。来週、2295ドル(約25万円)のヘッドセットがボストン、サンフランシスコ、シカゴのAT&Tのフラグシップ店舗にお目見えする。
これまで通販だけに限定されていた販売チャンネルを広げることができたのはMagic Leapにとってひとつの成果であることは間違いない。AT&Tにとっても最新のテクノロジーの普及に力を入れている企業というイメージを作るのに役立つだろう。しかしMagic Leap Oneはデベロッパー向けの初期モデルであり、それ以外の消費者でこの高価なプロダクトに関心を持つ人間がどれだけいるかは疑問だ。
最新のテクノロジーを実地に試すという興味はあるだろうが、それ以外に消費者がこの製品を買う理由は考えにくい。
VRプラットフォームについて、OculusとValveはすでに店舗における販売チャンネルを確立しており、後発のMagic Leapが独力で戦うのは厳しくなっていた。Magic Leapは短いデモ映像こそ多数公開していたものの、実際にプレイできる有力なゲームはほとんどない。Magic Leap One以外に同社からコンシューマー向けの画期的製品が出るというのも望み薄だった。AT&Tのストアにおけるデモでは大ヒット中のHBOのドラマ、「ゲーム・オブ・スローンズ」のVRが体験できるという。
Magic Leapにとっては今のところ企業ユースが現実的なターゲットだろう。「ゲーム・オブ・スローンズ」のVRでMagic Leap Oneを消費者に広く体験してもらい理解を得ることができれば将来の販売にも追い風になるかもしれない。
画像:agsandrew (opens in a new window) / Shutterstock
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