WayRayの車載AR HUDは一味違うプロダクトだ

スイスの拡張現実(AR)テクノロジープロバイダーWayRayは、そのユニークなアプローチで何をすることができるかを示すために、車載ヘッドアップディスプレイ(HUD)ソリューションをCES 2018で発表した。同社は当初NAVIONのアフターマーケットソリューションを提供し、さらに誰でも利用できる、OEM向けにデザインされたホログラフィックARフロントガラス製品を提供している。

私はそれを自分で試して、その結果に感銘を受けた。このディスプレイは、鮮明で読みやすく、自動車メーカーのOEMとして直接フロントガラスに組み込まれたり、アフターマーケットデバイスに組み込まれるようにデザインされたりしている。アフターマーケットバージョンは、シンプルな赤と緑の2色オーバーレイを使用していたが、同社のCEO Vitaly Ponomarevは、すぐに青色も導入する予定だと私に語った。わずか2色であっても、システムによって示されるすべての重要な情報を識別するのは、非常に簡単だった。

WayRayの技術が、既存の平均的な車載HUDと比較して非常に優れている理由の1つは、より広い視野を持っているということだ。ドライバーはビルトインソリューションでは11度の範囲で見ることができる。これは普通の自動車HUDで典型的な8度よりもはるかに良いものだ。アフターマーケット版では、独自のディスプレイを使用しているため、奥行きが短く、視野は8度しかないものの、投影される情報が道路に実際に「はまって」いるように見えるため、やはり通常の場合よりも遥かに優れている。

これは、WayRayが提供するSLAM(同時ローカライゼーションならびにマッピング)技術に特有のものである。この製品は、位置情報とマッピング情報を含むデータと、正面カメラが収集した視覚データを組み合わせて、実世界に対する視覚効果を、より効果的に車の前に置くことができる。

私が使った他の自動車メーカーのOEM製品や、Navdyのような他のアフターマーケットデバイスと比較して、WayRayのシステムは、はるかに優れ、そしてドライバが実際に見ているものと、より密接に結びついているように感じられた。Ponomarevは、不十分な情報による曖昧な効果をでっち上げる、他の効果の薄い手法と、自分たちの手法を区別するために、自分たちの製品を「真のAR 」と呼んでいるのだと教えてくれた。

WayRayは、将来の車両フロントガラスにその技術を組み込むために、中国のSAIC、ホンダ、その他のメーカーを含むOEMと話し合っているが、まだ公表できる段階にはない。同社はまた、今年後半にアフターマーケットソリューションを出荷する計画もしている。

また、CESでWayRayは、他の人々が車載用のARアプリケーションを構築できるようにするための、自社製開発プラットフォームであるTrue AR SDKのデモンストレーションも行った。これを使って、興味のある場所を表示し、ナビゲーションを強化し、お買い物に関するお得情報などを提供するソフトウェアを開発することができる。Ponomarevは、彼らのプロダクト向けのアプリストアを立ち上げる予定だと語った。また、各OEMがぞれぞれのAR HUDハードウェアと共に、自社の車両にWayRayのソフトウェアを組み込んだ場合にも、このストアから独自ブランドを提供したいと考えていると述べている。

WayRayは既に3000万ドルを調達しており、スイスのローザンヌに本拠地は残したまま、シリコンバレーに新しいオフィスの開設を予定している。Ponomarevはまた、終了していないので投資家の名前を明かすことはできないが、現在5000万ドルのラウンドが進行中であると語った。

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(翻訳:sako)