アルゴリズムで自動化された個人向けの資産運用サービス、いわゆる“ロボアドバイザーサービス”は、お金のデザインが提供するTHEOやエイト証券のクロエ、運用は行わずアドバイスのみを提供するVESTAなど、日本でも昨年から今年にかけて、いくつか提供されている。
そのうちのひとつ、ウェルスナビは、1月にSBI証券とともに「WealthNavi for SBI証券」をローンチ、2月には住信SBIネット証券との提携で「WealthNavi for 住信SBIネット証券」の提供を始めている。既に顧客を持つ金融機関とのこうした提携もあり、順調なペースで口座数と預かり資産残高を伸ばすウェルスナビは、3月31日に自社提供サービス「WealthNavi」と他社提携分なども合わせた預かり資産の総額が75億円、口座申込1万4000件を突破したと公表、4月12日には、WealthNavi for SBI証券がサービス開始から50営業日の時点で申込件数1万口座、預かり資産が50億円を突破したと発表した。
ウェルスナビは2015年4月に設立、2016年7月にWealthNaviを正式ローンチしており、現在サービス開始から約8カ月。ユーザーが利用開始時に運用の目的や年収、年齢を始めとする簡単な質問にいくつか答えることで、最適な運用プランとポートフォリオを作成して資産運用を行う。手数料は残高の年率1%(税別)、最低投資金額が自社のWealthNaviでは100万円(2017年4月中はキャンペーンで30万円)、WealthNavi for SBI証券とWealthNavi for 住信SBIネット証券では30万円となっている。
ウェルスナビによれば「提携による口座数の伸びはもちろん、この1月から3月でWealthNavi自体の申込数も伸びている」とのことだ。ちなみに日本では競合となるロボアドバイザーサービス、THEOを提供するお金のデザインでは、4月4日付けでTHEO単体での運用中ユーザーが1万人を超えたと発表している。THEOは2016年2月のサービス正式スタートから1年以上経っていることや、最低投資金額が10万円(運用報酬はWealthNaviと同じ1%)からとなっているため、単純にWealthNaviと比較できるものではないが、日本でロボアドバイザーサービスを使って資産運用を始める個人は、着実に増えているということは言えそうだ。
なお、米国のスタートアップ系のロボアドバイザーでは運用資産金額が、Bettermentで73.6億ドル、Wealthfrontが50.1億ドルとなっていて、日本の現状とは2桁違っている(Statisiaによるレポート・英語)。まだ始まって間もない日本のロボアドバイザー市場は今後、どれだけ取り入れられていくのか注目したい。