企業やブランドなどのWeb上のプレゼンスを管理するプラットホームConductorが、創業5年足らずにして早くもシリーズDの資金調達を行い、Catalyst Investorsが仕切り既存の投資家FirstMark Capital、Matrix Partners、そしてInvestor Growth Capitalらが参加したラウンドにより、2700万ドルを獲得した。新たな投資家Blue Cloud Venturesも、このラウンドに参加した。‘Webプレゼンス管理’という新しい業態を、今や投資家たちは完全に前向きに認めている。
同社はSEOサービスの企業として創業したが、マーケティングと広告の様相が変わりつつあることに気付き、企業がコンテンツの質とその共有戦略で勝負していくためのサービスへと切り替えた。つまりインターネット〜Webのようなコミュニケーションネットワーク上では、単純に大量の広告費を投ずるだけでは効果的なマーケティングにならない、と同社は主張する。
“マーケティング業界は自分を変えないと今後はやっていけないね”、と協同ファウンダのSeth Besmertnikは語る。“テレビは多チャンネル、ネットはサイトの氾濫、そんな中で、コマーシャルというものを、昔のようにまともに見てもらえると思うのは、時代錯誤だ。今年は広告などメディアに投じられるマーケティング費用が1000億ドルを超えると思われるが、インターネット上も含めて、それらのほとんどはドブに捨てた金になる”。
バナー広告になんぼ、AdWordsになんぼ、というレベルで広告やマーケティングを考えるのではなく、Conductorは、そのブランドが惹きつけるべき、あるいはターゲティングすべき、消費者層に狙いを定める。たとえば、おむつのHuggiesなら、ターゲットは幼児がいる大人、多くの場合ママたちだ。そこでConductorは、この層がどこで何をクリックするかに着目する。しかもここで重要なのは、ママさんに限らず、一般消費者はほとんどの場合、広告ではなく無料のコンテンツをクリックしている。だから企業は、広告に精力と金を投ずるのではなく、コンテンツとその戦略にお金をかけるべきなのだ。
Huggiesの例で話を続けるなら、ConductorのアドバイスによりHuggiesは、若いママさん向けのコンテンツをPinterestやInstagramやGoogle、Facebookなどなどにポストする。そしてそれらを経由して間接的に、ブランドや企業が訴求したいブランドイメージを消費者に発見してもらう。
Conductorは、同社のツールの効果に関する分析データを提供しているから、それぞれのコンテンツの“成績”をユーザは知ることができる。
“うちの仕事は、正しいターゲットを見つけることだ。そして彼/彼女らがWebをどのようにナビして良いコンテンツを見つけているのか、を注視する”、とBesmertnikは言う。“これは新しいマーケティング技法だから、‘Webプレゼンス’という言葉が初耳の企業も少なくない。そういう彼らを成功に導くのは、うちの責任だ”。
Conductorの顧客企業は年会費を払って分析プラットホームや同社のWebプレゼンスアドバイザーを利用する。年会費の額は、24000ドルから最高は50万ドルまでだ。
今回のラウンドでConductorの調達資金総額は6000万ドルになる。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))