WordpressやBlogger、Tumblrなどは、誰もが容易にWebサイトを作れるための優れたサービスを提供している。しかしそれでも初心者は、バックエンドやCMSの複雑さを前にしてたじろぐ。とりわけそれらのプラットホームは、シンプルであると同時に、ユーザの多様なニーズに対応するため、相当複雑な機能もあるからだ。
Y Combinatorの育成事業から巣立ち、今日(米国時間2/21)一般公開されるPadlet(元Wallwisher)は、分かりやすく使いやすいドラッグ&ドロップ方式により、一般人によるWebサイト制作に、上記の有力プラットホームをもしのぐ容易さと短い工期を提供する。しかもPadletはGoogle Docsみたいに、複数のユーザが同時に協力しながらページを作っていける。つまり、コラボレーションのできるWebサイト制作サービスなのだ。
“一般の人が考えるのは、‘これをインターネットに載せたいけどやり方が分からない’という単純なニーズだ”、と協同ファウンダのNitesh Goalは言う。“その質問の答えは、25ぐらいあるね。画像ならFlickr、ビデオならYouTubeとか。うちは、インターネットにいろんなものをポストすることを、いちばん素早く、いちばん簡単にできるようにしたいんだ”。
このサービスはすでに今日から利用できるが、Webサイトの制作を民主化することはすばらしくても、でも問題は、それを誰が利用するかだ。
Padletの考えでは、ユーザはきわめて多様だろう、プロジェクトマネージャはPadletを使ってクリエイティブなホワイトボードを作り、先生たちは生徒とコラボレーションするだろう。企業や団体がファンのための参加性の高いページを作っている例もある。たとえばこれやこれ、そしてこれなど。
“コンピュータ知識のない人たちに、とても好評だ。でも、Bloggerなどを使いこなしていたコンピュータ通の人たちにも、広く使われている”、と協同ファウンダのPranav Piyushは言う。“そういう人たちは、対話とコラボレーションのできる場を、作りたがっているんだ”。
Padletには、ユーザが自由に使えるオプションの種類がとても多い。コンテンツのレイアウトはドラッグ&ドロップでやるから、これにも大幅な自由と柔軟性がある。またコラボレーションに関する設定により、ページを変更してもよい人と、だめの人を分けられる。ページのリンクの共有は、誰にでもできる。
さて、それでは収益源は?
Padletには、すでに売上がある。自分だけのプライベートなPadletを使いたい中小企業などには、プラットホームそのもの(のコピー)を有料で提供しているのだ。そういう分身的なPadletは、ストレージもユーザ側のものを使い、アップロードはそこへ行われる。Padletのサーバに、ではなく。
今後の、拡張の計画もある。
“自分のサイト〜ページ上で決済と支払ができるようにしたい、というユーザはとても多い。今後は、支払ウィジェットの提供などにより、そのニーズに対応していきたい”、とPlyushは語る。“今はまだ、きわめてベーシックだが、今後はもっと高度な対話的機能をいろいろ盛り込んでいく予定だ”。
Padletは今日から利用できる。アクセスはここから。