WeWorkを運営するThe We Companyは、米国証券取引委員会(SEC)に上場申請書を非公開で提出したという情報をプレスリリースで確認した。
ニューヨークタイムズの報道によれば、同社がSECに最初に書類を提出したのは昨年12月だという。
今年1月までに、WeWorkは株式と借り入れを併用して470億ドルの会社評価額で総額84億ドルの資金を調達している。ユニコーン(10億ドル企業)を多数生んでいるテクノロジー業界でもAdam Neumann氏とMiguel McKelvey氏が2010年に創立したWeWorkのような100億ドル級はさすがに数が少ない。同社への大口投資家はソフトバンク・ビジョン・ファンドで、昨年11月には30億ドルの出資を受けた。最近ソフトバンクは株式の過半数の取得を目指したが、最後の瞬間に見送っている。
WeWorkの収入は2017年の8億8600万ドルから 2018年には18億ドルへと倍増した。同時に純損失も19億ドルという天文学的数字になった。株式上場を目指す会社として魅力を増すような数字ではない。もっともUberも成長が鈍化している中で株式上場のためのロードショーを各地で開催中だ。WeWorkの財務に関する情報を Crunchbaseから拾ってみると次にようになる。
- 2017年の収入は8億8600万ドル
- 2017年の純損失は9億3300万ドル
- 2018年の収入18億2000万ドル(105.4%アップ)
- 2018年の純損失は19億ドル(103.6%アップ)
つまり収入に対する赤字の率は変わっていない。ただしAxiosによれば、2018年のWeWorkの入居率は90%であり、登録メンバー数も116%アップして40万1000社となっている。
WeWorkはシリコンバレーのスタートアップの価値がインフレ評価される典型としてよく取り上げられる。WeWorkの本質は不動産賃貸業だ。マーケットと出資者に永続可能なハイテク企業であると納得させるためには膨大な額の投資を続ける必要がある。
WeWorkの主要株主はソフトバンク、Benchmark、T. Rowe Price、Fidelity、ゴールドマン・サックスなどだ。
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