WeWorkがSPACとの合併を通じて上場を検討中、WSJが報道

WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)の新しい報道によると、2019年秋に株式公開の目論見が華々しく吹き飛んだ巨大コワーキング企業のWeWork(ウィーワーク)は、あるブランクチェックカンパニー(SPAC)と合併して株式公開企業になる可能性があるという。

WSJによると、具体的にはニューヨークに拠点を置くWeWorkは「Bow Capital Management LLC(ボウ・キャピタル・マネジメント)と関連があるSPAC(特別買収目的会社)と、少なくとも1つの正体不明のがわからない他の買収団体からのオファーを数週間前から検討している」ところだという。この取引では、WeWorkの評価額は約100億ドル(約1兆420億円)になる可能性があると、WSJの情報提供者は語っている。

同社の広報担当者に尋ねたところ、WSJに送ったものと同じ声明が送られてきた。「過去1年間、WeWorkは、収益性を達成するための計画を実行することに力を注ぎ続けてきました。私たちの著しい進歩は、柔軟に使えるスペースの需要増と相まって、私たちのビジネスに肯定的な兆候を示しています。私たちは目標に向かって近づくための補助となる機会を探求し続けます」。

WeWorkに近い関係者によると、同社はより多くの民間資金のインバウンド関心も検討しているという。

WeWorkの広報担当者によると、同社は8億7500万ドル(約912億円)以上の利用可能な現金を含む、36億ドル(約3750億円)以上の現金と未払いの現金支払債務を持っており、これは「長期化する新型コロナウイルス禍を乗り切るのに十分以上の流動性」であると考えているという。

WeWorkのSandeep Mathrani(サンディープ・マスラニ)CEOは2020年秋、WeWorkは同年のある時期に黒字化する軌道に乗っていると述べ、その後は「最初の利益成長」となり、「新規公開株の計画を再検討することになるだろう」と語っていた。また、同氏はニューヨークからZoomコールを介してインドの記者団に対して、WeWorkは2020年10月、Bloomberg(ブルームバーグ)が報じたように、従業員の約3分の1にあたる8000人を解雇した後、100%適正規模化を完了したと付け加えた。

マスラニ氏は2020年2月、WeWorkの共同創業者であるAdam Neumann(アダム・ニューマン)氏が退任した後を受けてCEOに就任した。同社が上場を取り止める数カ月前のことだ。

それ以前、マスラニ氏は1年半の間、Brookfield Properties(ブルックフィールド・プロパティーズ)の小売グループのCEOと、Brookfield Propertiesの副会長を務めていた。シカゴを拠点とする同社に入社する前は、General Growth Properties(ジェネラル・グロース・プロパティーズ)のCEOを8年間務めた。同社は2018年にBrookfieldが92億5000万ドル(約9640億円)の現金で買収するまで、全米最大級のモール運営会社だった。また、マスラニ氏は上場不動産会社であるVornado Realty Trust(ボルナド・リアルティ・トラスト)で8年間、取締役副社長を務めていたこともある。

Bow Capital ManagementはTibco Software(ティブコソフトウェア)の創設者であるVivek Ranadive(ヴィヴェク・ラナディブ)氏によって運営されている。同社は2020年7月、テクノロジー、メディア、通信業界における事業買収に焦点を当てた3億5000万ドル(約365億円)のブランクチェックカンパニーの計画を登録した。

WeWorkがテック企業なのか、それとも純粋な不動産業の範疇かについては、何年も前から多くの議論が交わされてきたが、同社はずっと前者であると主張している。

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画像クレジット:Timothy A. Clary / Getty Images

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(文:Connie Loizos、翻訳:TechCrunch Japan)

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TechCrunch Japan

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