今日、Wi-Fiの機能が大幅にアップグレードする。3年に及ぶ世界でも有数のテクノロジー企業による共同研究と開発が実を結んだのだ。
この新しいテクノロジーはWi-Fi Awareと呼ばれ、非営利貿易組織の Wi-Fi Allianceが発表した。Wi-Fi Allianceには、Apple、Microsoft、Intelを含む数百の有力テクノロジー企業がメンバーとして参加している。
Awareにより、Wi-Fiに対応しているプロダクトはモバイルデータ通信やインターネット接続に依存することなく、すぐ近くの端末、アプリケーションや情報を検出してコミュニケーションを取ることが可能になる。iBeaconが実現しようとしたテクノロジーに近いと考えれば分かりやすいだろう。
基本的に、Awareを利用できるアプリケーションを一度インストールすれば、手持ちの端末は周辺の端末と常時、データの送受信をすることができる。ユーザーはオプトインすることで、アプリケーションのアベイラビリティの発行やサブスクライブして情報を受信したり、接続のリクエストを受けたりすることができる。
Wi-Fi Awareはエネルギー消費が少ないBluetoothやシンプルなプッシュ通知といったツールと真っ向から対抗する技術であり、屋内GPSのようなことができる。例えば、Facebookでお気に入りのアパレルブランドを登録し、近辺通知を許可する。ユーザーがその店舗の近くを訪れた際には、Facebookはセール品などの情報を通知することができる。高校時代の古い友人が近所を歩いていれば端末がそれを検出し、友人にメッセージを送りたいかどうかユーザーに瞬時に知らせることも可能になる。
この技術の注目すべきことは、端末は常にユーザーの近辺のことを知ることができるということだ。端末は、ユーザーと関連する情報源だけを選んで接続する。Awareの提供開始後、これがどのように活用されるかに注目したい。
Awareは、情報源に接続する前から近辺に何があるかを正確に把握するために端末のバックグランドで常に動いているが、電力効率は素晴らしく高いとWi-Fi AllianceのプレジデントであるEdgar Figueroaは説明した。既存のWi-Fiよりも効率が良いと言う。
これまではテキストメッセージさえ送受信するのが困難だった巨大なコンサート会場やサッカーの試合会場といった混雑した環境でも問題なく機能するという。Figueroaは、FacebookやLinkedInといったソーシャル・ネットワークが年内にもWi-Fi Awareを活用したアプリケーションを提供することを期待していると話した。
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