Wikipediaは、本日iOSアプリのアップグレード版をローンチした。今回のアプリはユーザーの関心に合った記事や画像コンテンツを提示することに注力している。また、アプリはAppleの新しいOSと最新iPhone(6sと6s Plus)に最適化され、3D TouchやSpotlight検索にも対応している。
Wikipediaはユーザーに毎日の調べ物の用途以外にもWikipediaのモバイルアプリを使ってもらうために取り組んでいる。
過去には、 オフラインアクセスやモバイル編集といった実用的な機能を実装してきた。昨年には 「ファクトカード」を共有できるようにし、ソーシャル路線も試していた。(この機能はまだあるが、以前ほど打ち出していない。今はテキストを選択して「ファクトを共有」することができる。)
アプリの最新版では、ユーザーが面白いと思う読み物やその人に合ったコンテンツの提供に注力している。ユーザーに「Explore(探索)」フィードから最も読まれている記事、特集記事、今日の注目写真、ランダムに選んだ記事、関連記事を提示し、ユーサーのアプリの使用状況に応じて記事のレコメンドもする。ユーザーがアプリ内から読んだ記事を元に提案を行っているとWikipediaは言う。
それに加え、今回のアップデートにはマルチタッチ・ジェスチャー(スワイプ、タップ、3D Touchなど)の操作に対応し、ホームスクリーン上のアプリアイコンの3D Touchも可能となった。これを使うとすぐに検索画面、ランダムに表示される記事の閲覧、関連記事、前回読んでいた記事の続きを読むといった操作ができる。iOSだけの機能Handoffにもこのリリースで対応している。
後で読むための記事を保存する機能ではオフラインでも記事の閲覧が可能となる。画像ギャラリー、そしてソーシャルメディアやメールで簡単に共有できるようツールも改善されている。
過去に行った機能変更や今回の変更でも、WikipediaのiOSアプリがユーザーを惹き付けられるかは分からない。アプリはApp Storeの「レファレンス」のカテゴリーで大抵15位から20位くらいの上位を保っている。(最近30位台に落ちていた。)ただ、ブランドの認知度は高いにも関わらず、iPhoneアプリ「全体」の中で人気のあるものとは言えないだろう。
問題は、多くの人がWikipediaを特定のものを調べる場所であって、新しく何かを見つける場所だと思っていないことだろう。iOS 8以降は、AppleのSpotlight検索でWikipediaのウェブコンテンツを閲覧することができ、ちょっとしたことを調べたい人のニーズをもうすでに満たしていることも関係しているだろう。WikipediaはiOSアプリがより定常的に使われるようにするための施策を考えているが、これは「Explore(探索)」フィードの改良版を展開して上手くいくほど単純な問題ではないように思う。
とはいっても、アプリ自体はデザインも良く洗練されていて、SnapchatやVineで時間を潰す代わりに何か学びたいと考える人にとってはダウンロードする価値があるように思う。WikipediaのアプリはiTunes App Storeで入手可能だ。
Wikipedia Mobile 5.0 for iPhone and iPad from WikimediaFoundation on Vimeo.
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