今日(米国時間5/2)、Microsoftは新しいOS、Windows 10 Sを発表した。これは学校市場をターゲットにした軽量でセキュリティーを強化したWindows 10だ。同時にMicrosoftはWindows 10を作動させるのに十分なパワーのあるSurface Laptopに10 Sを登載したモデルも市販するという。
今日のプレスイベントでMicrosoftはこの999ドルのノートパソコンを各種のMacBookと比較していたが、これは聴衆の首を傾げさせた。軽量版の、つまり機能が限定されたOSをCore i7登載のノートパソコンで走らせてどうするのだろう? 10 SではPhotoshopは動かない。
Windows 10 SはWindows Storeからダウンロードできるサンドボックス・アプリしか走らせることができない。つまりxxxx.comというようなサイトからアプリをインストールすることはできない。10 SパソコンではGoogle Chromeさえインストールできない。
もちろんMicrosoftはGoogleやAdobeはやがてWindows Store版のソフトウェアをリリースすると期待しているのだろう。GoogleやAdobeのような有力ソフトウェア・ベンダーについてはそうかもしれないが、大多数のデベロッパーにとってWindows Store版を別に開発するのは負担が大きいだろう。
Microsoftは実はこの点に対策を用意していた。189ドルの安いWindows 10 Sノートを買ったユーザーも49ドルを1回支払うだけで、完全版のWindows 10 Proにアップグレードできるという。
安価なChromebookのライバル版のノートを学生、生徒、あるいは管理者が購入した場合はWindows 10 Proへのアップグレードは無料だ。ただし管理者はセキュリティーを確保するためにアップグレードを制限することができる。Windows 10 SにインストールできるソフトをWindows Storeのアプリだけに限定した場合、マルウェアやウィールスに汚染される可能性はほぼなくなる。またメンテナンスも極めて容易だ。多くの学校ではアップグレードに制限を加えそうだ。
ユーザーが学校関係者ではなく、Windows 10 S版のSurface Laptopなどを購入した場合、49ドルでPro版にアップグレードできる。ただしtech specsページには今年末までアップグレードは無料だと書かれている。
ただしWindows 10 Sのアップグレード先がWinows HomeではなくWindows 10 Proである理由についてははっきりしない。MicrosoftがHome版を取り下げようとしてるわけでなないらしいのでますます謎は深まる。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)