元サイバーエージェント役員の西條晋一氏が代表を務めるスタートアップ支援企業のXTech(クロステック)は2月18日、子会社のM&A BASEを設立し、IT領域に特化したM&A支援事業に参入したと発表。
設立の背景には昨今の日本企業によるM&Aが増加があり、XTechは「大企業の新規事業参入や人材獲得を目的としたスタートアップの買収、業界再編の加速などを背景にM&A市場は今後も大きく伸びる見込み」だと説明している。だが比較的新しい産業であるIT領域では、M&Aを行う上で必要となる「売り手と買い手の情報やPMIまで想定したアドバイスができる人材などM&Aの基盤」が不足していると考え、M&A BASEを設立するにいたった。
M&A BASEでは、IT領域のスタートアップや大企業に対し、専門知識を持つスタッフがM&Aに関するアドバイザリー、仲介、デューデリジェンスやPMI(Post Merger Integration/M&A後の統合プロセス)の支援、M&A戦略の立案などの支援事業を行う。
西條氏は「これまでIT領域のM&Aでは、IT領域の特殊性によるマッチングの難しさや、M&A成立後のPMIが上手くいかないといった課題があった」と説明している。その課題をクリアするのがM&A BASEのミッションだ。
代表取締役は西條氏、取締役は2018年8月にXTechに参画した、同社の新卒第一号、廣川航氏が務める。廣川氏は2019年3月に慶應義塾大学商学部を卒業予定。大学進学後は、スタートアップやベンチャーキャピタル、ヘッジファンド、監査法人子会社のスタートアップ支援企業などでリサーチ業務に従事してきた。
XTechは2018年10月に地球の歩き方T&Eを買収、9月には子会社のXTech HPを通じてエキサイトの普通株式を公開買付け(TOB)により取得すると明かし、翌月には成立したと発表。西條氏は12月よりエキサイトの代表取締役社長に就任した。また同社は2019年2月、ミクシィと上場企業買収も見据えたM&A包括連携協定を締結したと発表している。