XTech子会社が優秀な“時短ママ”と成長企業つなぐ転職サービス「withwork」を開始

XTalentのメンバー。左から2人目が代表取締役の上原達也氏、3人目が執行役員の松栄友希氏

XTechの子会社であるXTalentは10月7日、事業の第一弾として優秀な”時短ママ”向けの転職サービス「withwork」を正式ローンチした。

スタートアップスタジオのXTechはこれまで子会社を通じて複数の新規事業を創出してきた。たとえば先日1.2億円の資金調達を実施している食材のB2Bマーケットプレイス「クロスマート」もその1つ。新しく子会社を立ち上げるだけでなく、エキサイトの事例のように他社を買収して再編するケースもある。

その中で「子育て世帯の新しいキャリアのあり方」を実現することを目指し、今年7月に設立したのがXTalentだ。有料職業紹介免許を10月1日に取得し、本日より正式にサービスを開始した。

withworkは子育てによって時間的な制約がある優秀な時短ママと、柔軟な働き方を提供できる成長企業を繋げる人材サービス。時短制度の詳細(利用可能期間など)や給与体系、すでに在籍するママの勤務状況のような「求人票には書かれていない企業情報」をXTalentが調査した上でマッチングを行う。

限られたスキマ時間を使って転職活動を進められるように、来社ナシの電話面談やLINEを使った転職アドバイス、経歴書の作成代行などを行い、従来の人材紹介会社が十分にできていなかったサポートを実施する。

「スタートアップのような成長企業こそ、ママが活躍しやすい環境があると思っています。 一方で、転職サイトやエージェントの求人票にそういった情報もありません。 育児と仕事の両立に忙しい時短ママに寄り添って、効率的に転職活動を行えるよう支援し、テクノロジーによる効率化も駆使して社会インパクトの大きいサービスを目指していきます」(XTalent代表取締役の上原達也氏)

これは上原氏自身も言っていたことだけれど、現時点では何かテクノロジーを使った真新しい仕組みがあるわけではなく、とてもシンプルな転職サービスだ。このあたりはそもそも「ママの転職というマーケット自体が成立しきっていない」ため、まずはマーケットを作るためにユーザーや企業への啓蒙に力をいれていく方針とのこと。

ただ中長期的にはLINEを活用したチャットボットと人力を組み合わせたサポート、職務経歴書の自動作成、時短ママならではの要素(たとえば通勤時間や保育園の預かり時間)を加味した求人マッチングのアルゴリズム開発なども考えていくという。

XTalentの中心メンバーである上原氏と執行役員の松栄友希氏は共に2人の子どもを育てる現役のお父さんとお母さん。上原氏はITベンチャーのSpeeeを経てJapanTaxiに入社し、相乗りタクシーや法人向けサービスに携わった後、今年7月にXTechにジョインした。松栄氏は前職のリブセンスでエンジニア向け転職サービス「転職ドラフト」の立ち上げを担当した経験を持つ(XTech代表取締役CEOでXTalentの取締役も務める⻄條晋一氏も2児の父だ)。

子育てとスタートアップで働くことのどちらも経験しているチームだからこそ「ユーザーのペインと課題解決による可能性を確信しており、粘り強くこのテーマに取り組んでいけると考えています」(上原氏)

日本でも子育てをしながら働く女性が増えると共に「待機児童」や「マミートラック(産休などから職場復帰した女性が、昇進や昇格から遠ざかり第一線で活躍しづらくなってしまうこと)」などの社会問題が注目を集めることが増えてきている。

withworkのテーマの1つは「時短ママを成⻑企業のエース人材に変えること」。こうした社会背景の中で「時間よりもパフォーマンスを高く評価する」という風潮を高めること、時短ママにスポットライトを当てる社会の新しい価値基準を発信し続け、社会常識の当たり前の基準を変化させることがサービス立ち上げの背景にある。

まずは転職支援を提供することから着手し、就業規則コンサルティングや自治体と連携した保活支援サービスなど、子育て世帯のキャリア支援に向けた事業展開も検討していくという。

「社会人人生は一貫して、スタートアップで働いてきました。その中で見えてきた、課題感と新しい働き方ができるという可能性への期待感があると肌感覚で実感しています。この業界を愛しているからこそ、自分自身もパパだからこそ、子育てしながら活躍できる世界観を実現していきたいと思います」(上原氏)

「いちママとして、働くママの心情に寄り添ったサービス展開をしていきます。また私自身が時短でこの事業に参画していることから、時短でも高いパフォーマンスを出せることを体現していきたいと考えています」(松栄氏)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。