空の旅にはお金がかかる。
そこでYコンビネータのサマー2016バッチからローンチするのがAirfordableだ。航空券を予約し、代金は「取り置き方式」で出発日までに完済すれば良いというサービスを提供開始した。
その仕組みはこうだ。
旅行者はオンラインで(自分の好きな予約サイトを使って)希望する航空券を見つけ、そのスクリーンショットと航空券の詳細をアップロードする。
アップロードした情報が承認されると、Airfordableが最長3か月の支払いプランを算出してくれる。このプランは頭金の支払い後、出発日までに完済するように組まれ、支払いが完済すると同スタートアップから予約承認済みのeチケットが届くという流れだ。
問題は、利便性と引き換えに手数料がかなり高額になる点だ。Airfordableは需要、旅行日、航空券の料金に応じて10~20%の手数料をチャージする。仮に返済期間3か月、手数料20%の場合では、年率換算で80%という信じられないような高利率になってしまう。
しかし、この手数料を「利率」としてとらえるのは厳密な意味で正確さを欠いているかも知れない。Airfordableのようなサービスは「旅行に行けなかった人が旅行に行けるようになる」という金銭には換えがたい対価となり得るからだ。Airfordableの共同設立者Ama Marfoは、この感情的な部分について何度も触れ、「Airfordableの手数料は、その価値が分からない人々にとっては高いでしょう」と述べている。
この手数料の見返りとして、同社では購入者のクレジットスコア(訳注:米国でローン承認の際などに参照される、個人の信用情報)を確認しない。つまり、クレジットスコアが低い、または全くない場合でも、取り置き購入プランを利用できる可能性が開かれているのだ。
これまでのところサービスの利用者は約1万人で、返済率は95%という。この高返済率の背景には、Affirmのようなクレジットカードやローンサービスとは異なり、出発前に代金を完済する必要が挙げられるだろう。この方式の良い点は、購入者が旅行から戻った後で支払いに立ち往生しなくても良い点だ。
購入者が出発までに完済しなかった場合、航空券はキャンセルされる。しかし頭金を除いた支払い済みの代金は、次回以降の購入時にクレジットとして適用される。
Airfordableでは今後、バケーションパッケージやホテルの取り置き方式販売も展開したいと考えている。また、ユーザーが自分で旅程のスクリーンショットをアップロードしなくて済むよう、旅行商品の検索用プラットフォームも独自に構築中だ。
現状、すべての航空券は同社の運営資金で購入しているため、取り置き方式での販売を支援してくれる金融機関を探しているという。
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(翻訳:Ayako Teranishi)