Y Combinatorが今、YC Bioと名付けた新しい部門を実験している。それは、初期的段階の生命科学企業に資金を供給することが目的で、初期的段階というのは、まだ実験室レベル、という意味だ。YCの社長Sam Altmanが今日(米国時間1/11)の同社のブログに書いているが、いちばん最初にフォーカスする分野は、健康寿命と、加齢関連の疾病だ。
“人びとの健康長寿を助けることには大きな機会がある、と考えている。しかもそれは、今言われている医療危機に対する最良の対策のひとつだ”、とAltmanは書いている。
なお、健康寿命(healthspan)という最新の新語は、病気などにならずに、健康な状態で生きている期間のことだ。
YC AIの場合もそうだったが、YC Bioコースに参加する企業もYCのふつうのプログラムを受講する。しかし、12万ドルを投資してその企業の7%を保有する、という形ではなく、YCはバイオテク企業に50万〜100万ドルを投資して、その企業の10から20%を保有する。
上に‘実験室レベル’と書いたが、YCは実験室スペースの無償提供も行う。具体的にはまだ未定だが、そのために実験室/設備機器レンタル企業とパートナーする予定だ。YC Bioはさらに、バイオテク企業の“さまざまな特殊なニーズにも応じ”、その分野のエキスパートへのアクセスも提供する。
YCが初めてバイオテク企業を支援したのは、2014年のGingko Bioworksだ。当時同社はふつうのスタートアップとしてYCの‘生徒’になった。そのときAltmanは本誌のSarah Buhrの取材に対して、バイオテクの三つの最新トレンドを挙げた: “1)近くハイパーグロウス(超絶的巨大成長)になる、2)起業コストが下がりシリーズA級で間に合う、3)サイクルタイムがスタートアップにも十分耐えられるほどに短くなる”。