Y Combinatorデモデイ登壇120社を全部まるっとご紹介(Day2前編)

訳注:これはシリコンバレーで随一のアクセラレーターとして知られるY Combinatorが年に2度行うデモデイを紹介する記事の翻訳記事です。Day1、Day2でそれぞれ約60社のスタートアップ企業が登壇していて、以下の4本の翻訳記事で30社ずつ紹介しています。この記事はDay2の前編です。

「食品、住宅、ヘルスケア、移動手段。生活に必要なものを改善し、お手頃価格で」。パートナーのPaul Buchheitによると、Y Combinatorの2016年冬季デモデーの2日目に登場するのはそのようなスタートアップだと話した。

Buchheitは大きな野望についてこう語る。「この分野の課題はスタートアップが解決するためには大きすぎたり、複雑すぎたりするように思います。しかしKyleとDanがCruiseで示したように、最も難しい課題に取り組んでいるところが投資に最も適しています」。彼はGMが10億ドルで買収したCruiseを引き合いに出した。CruiseはYC卒業のスタートアップで、自動運転車のテクノロジーを構築していた。

Image (1) buchheit1.jpg for post 337817

Y Combinator partner Paul Buchheit

今日も会場は人でいっぱいで、昨日は金持ちの投資家さえ床に座らなければならない状況だったが、椅子の数も追加されていた。Buchheitは2005年夏の最初のYCバッチについて「当時は誰もデモデーに行こうなんて思っていませんでした」と笑いを誘った。会場から「デモデーに来たいなんて思った人はたった15人だった」と言う声が聞こえた。今では、数百名のVCがプレゼンテーションに熱い視線を送っている。

ここ数年、Yコンビネーターはこれまで多かったアプリ以外にも幅広い業界のスタートアップを受け入れるようになった。例えば、バイオテック、エネルギー、ハードウェア、国際間の物流などだ。私たちが以前投資家に話した時、彼らはそのような企業を評価するための専門知識が足りないかもしれないと不安を口にしていた。

YC会長のSam Altmanは私に、今では多くのVCが「他分野の専門家を採用」し、知識のギャップを埋めているという。彼は「チーフ・サイエンス・オフィサーを採用することが最先端のことになりました」と話す。結果的に、投資に関してはこれらの分野のスタートアップは従来のソフトウェア開発の他の企業を「少し上回るか、同等くらいの成果を出しているようだ」と話す。

Computer History Museumに登場したスタートアップで公表できる59社は以下の通りだ。

Spinal Singularity – 改良カテーテル
昨年、500万人以上がカテーテルを使った。Spinal Singularityは、20億ドル規模の尿道カテーテル市場に、インターネット接続カテーテルで参入する。このカテーテルは磁気バルブを作動させることで、尿の排出をコントロールするという。このインターネット接続カテーテルは患部への負担が最小限ですみ、自宅でもカテーテルを挿入したり、取り外したりすることが可能だ。Spinal Singularityは今年から臨床試験を開始し、来年にもコンシューマーに直接販売することを計画している。

1 spinal singularity

Konsus –オンデマンド・フリーランサー
Konsusは企業がフリーランサーを探すこと、そしてフリーランサーがクライアントを探すのを助けるサービスだ。企業はコンテンツ執筆、マーケティング作業などのビジネスに関連するタスクをKonsusに送ると、Konsusがそのタスクに最適なフリーランサーを見つけ出す。Konsusは28週間前にローンチしてから、毎週10%成長しているという。収益は5万5000ドルに達し、売上総利益は40%だという。カスタマーの3社の内2社は、また仕事を依頼するために戻ってくるという。

2 konsus

Nova –営業メールを書くAI

営業メールは、定形のものより受取主の情報を鑑みた上で受取主の状況に合うものの方がパフォーマンスが良くなる。Novaは人工知能を使ってこれらのメールを自動で執筆する。Novaはウェブやソーシャルメディア上で、受取主に関してメールに載せる情報を検索する。例えば、受取主が最近ニュース記事に取り上げられていたことや特定の趣味についてなどだ。Novaのメールは人が書いたメールよりパフォーマンスが高い。Novaのメール開封率は67%で、クリックスルー率は11%だ。Novaは、毎月1ユーザーにつき99ドルの料金体系にする考えだ。アメリカ国内のB2Bの営業人員400万人をターゲットとする。すでにUberとMonsterと契約を取り付けたという。共同ファウンダーはセールスフォースのCMOだった人物で、Novaは効率の悪い営業メールを人工知能の正確性で置き換えたい考えだ。NovaのTechCrunch記事はこちら。

3 Nova

Mason America –工業用にAndroid端末をカスタマイズ
心拍モニターやパッケージスキャナーなどの高額機械に頼るのではなく、Mason Americaは、彼らがライセンスする低価格Android端末を購入してほしいと考えている。Mason Americaはアプリへのアクセス、ソフトウェア更新、リモートで端末をトラックする機能なども提供する。Mason Americaは160万ドルで心拍モニター端末のライセンセス契約を締結した。

4 mason america

GetAccept –提案営業ワークフロー
GetAcceptは提案営業での受注を増やすためにこの分野に最革命をもたらそうとしている。営業担当者は提案書に動画を付けて送信する。パーソナライズされたリターゲティングキャンペーンを展開し、関わる人は電子サインによるワークフローに参加する。このスタートアップは業界の中で80%多くの受注が可能になったという。カスタマーのサービス利用料は月45ドルだ。GetAcceptは12月からの年間ランレートは20万ドルとなり、週ごとに23%の成長があるという。

5 getaccept

flexReceipts –紙のレシートをメールに
小売店は紙のレシートのために年間20億ドルを使っている。ビジネスがそれをメールに代えることで、重要な連絡先情報を収集でき、さらに個別のメーケティングメッセージをターゲティングすることも可能となる。flexReceiptsでそれが簡単にできる。flexReceiptsはSKY、数量、価格、場所などの情報を収集し、これらの情報を基にカスタマーのオフラインの購買行動をトラックすることが可能となる。収集したメールアドレスをFacebookのCustom Audiences広告や他のメールベースの広告ターゲティングに用いることで、flexReceiptsのクライアントは通常行う広告出稿より、クリックスルー率を10倍にすることができたという。flexReceiptsはオフラインの購入をトラックするクッキーを構築していると言える。

6 flexReceipts

PaveIQ –シンプルなウェブ解析
ウェブ解析やデータによるメーケティングには多くの時間がかかる。PaveIQは企業に月200ドルで、ウェブ解析とマーケティングデータの解析ツール、レコメンドなどを提供する。PaveIQは86社の有料カスタマーを抱え、収益がある。Four SeasonsやGreyhound UKなどがカスタマーだ。

7 paveiq

DeepGram – 音声専用の検索エンジン
DeepGramは、音声のテキスト書き起こしが未完成のスピーチでも検索を可能とする。通常、音声の書き起こしが完成していなければスピーチ内を検索することはできない。例えば、Siriは「Yコンビネーター」を「ホワイ・コントラクター」と聞き違えることがある。これまで人が単語を解析していたが、DeepGramでは人工知能による正確なスピーチ検索でその作業を代替しようとしている。チームには物理学者らが参加していて、録音された音声のウェブのあり方を変えようとしている。

8 deepgram

Drive Motors –車ディーラー向けオンライン自動車販売プラグイン

多くの車ディーラーは、ウェブサイト上だけで車の販売を完結させることはできない。通常の購入プロセスでは、ユーザーは最終的にディーラーと電話で話さなければならず、これは販売機会を逃している。Drive Motorsはカスタマーが家でリラックスしている状態で車の購入を可能とするプラグインを開発した。ディーラーの物理店舗が閉まっていても購入可能となる。ディーラーにとってこのサービスは手間を増やさずに売上を伸ばす方法だ。Drive Motorsはディーラーの既存の収支管理や在庫管理ソフトウェアと連携することができる。今後、オンラインで車のメンテナンスを提供することも考えている。Drive MotorsのTechCrunch記事はこちら。

9 Drive Motors

DoseDr –糖尿病患者を助けるiOSアプリ
患者がインシュリンの注射量を誤ると、症状が悪化したり、入院したりしなければならなくなる。DoseDrでは、糖尿病患者がモバイルアプリで自分の血糖値を入力するだけで、摂取すべき適切なインシュリンの量を知ることができる。今年の初め、DoseDrは5つのクリニックと50名のハイリスク患者とパイロットプログラムを行った。プログラムの最初の1ヶ月でDoseDrは、93%の患者を安全な数値内に留めておくことができた。

10 dosedr

PocketSuite – スモールビジネスの予約管理やカスタマーとのやりとりを簡単にするモバイルソフトウェア

PocketSuiteは地域の商店がスマホで店舗運営を行うことをサポートする。カレンダー、決済、メッセージ機能が1つのアプリで利用可能だ。ローンチからPocketSuiteは月毎の売上が38%伸びているとし、現在、1100のビジネスがPocketSuiteのプラットフォームでアクティブという。今月、それらのビジネスのPocketSuiteにおける流通額が100万ドル以上になったという。

11 pocketsuite

OpenTrons –3000ドルのインターネット接続された実験運用ロボット

ライフサイエンス分野におけるほとんどの研究は人が手で行っている。研究員がピペットで一つ一つ、試験管を満たしていくような退屈な作業を多くこなしている。OpenTronsは薬品を扱う研究室のプロセスを自動化することで、スピードを速め、人の作業を減らす。例えば、農家が自宅ガレージで作物の品種改良を行ったり、研究者が新しい素材を開発したりする際にこのプラットフォームを使用することで時間を短縮することができるだろう。

OpenTronsは自社を「初めてのライフサイエンスのためのPC」と銘打ち、ソフトウェアと試薬の両方を販売している。このスタートアップは中国のHaxclr8trでローンチし、2014年にKickstarterのキャンペーンで目標額を達成した。現在同社は月毎に50%成長し、ランレートは100万ドルになるという。400万人の生物学者が手で実験を行っているという。OpenTronsはそのような手作業で実験を行う研究所には470億ドル市場が眠っていて、そこで成長したい考えだ。 OpenTronsのTechCrunch記事はこちら。

12 opentrons

SunFarmer –持続可能なソーラービジネス構築を促す非営利団体
新興国はソーラーエネルギーを必要としているが、初期コストがかかる。SunFarmerは、寄付金を初期コストに充て、ネパールなどの発展国で持続可能なソーラービジネス企業を確立することを目的とした非営利団体だ。ソーラーパネルは学校や政府所有の建物などに設置する。病院施設に電気が送られ、学校では照明やコンピューターに電気を使用できる。SunFarmerが最初にネパールで設立した企業は2016年内に収益化が見込めるという。そして、新たに2カ国でローンチするために150万ドルを調達したい考えだ。ソーラーパワーを活用するのに無限に寄付が必要ではない。SunFarmerは補助金がなくともソーラーエネルギーが導入できるようにする考えだ。

16 SunFarmer

Msg.ai –チャットボット管理
チャットボットは今後カスタマーが企業とやりとりする定番の方法になるかもしれない。しかし、これらのチャットボットを複数のプラットフォームで同時に運用するのは困難なことだ。Msg.aiが提供する、情報を全て集めたダッシュボードではトレンドやカスタマーの意図を検出し、その分析結果を表示する。さらにはSalesforce Deskや Zendeskとも機能連携している。Msg.aiの知能とA/Bテストを活用することで、企業はチャットボットの強みを最大限活かすことができる。

13 Msg ai

HistoWiz –がん治療のための組織病理学研究
研究者は細胞組織のサンプルを切ったり、付けたりするのに時間を取られている。研究者はHistoWizに組織サンプルを郵送するとHistoWizは代わりに研究用のデータベースを制作する。これで研究者は最大2週間の時間を削減できるという。研究者はスライドガラスをオンラインで確認することができ、さらにインターネット接続した顕微鏡に瞬時にリモートアクセスすることもできる。HistoWizのチームはがん研究者とコンピューターサイエンティストで構成されている。現在、世界中に400以上のカスタマーを抱え、年間ランレートは120万ドルだという。560億ドル市場の中で年間成長率は300%を達成している。

「これまで細胞組織データは1ヶ所に集まっていませんでした」とファウンダーのKe Changはステージ上で話した。「私たちはすでに世界最大のデータベースを所有しています」。

14 histowiz

ZenProspect –B2Bチームによるアウトバウンドのメールキャンペーンを強化するソフトウェア

アウトバウンドの営業を簡単にするため、ZenProspectは企業に最も資金が潤沢にある潜在顧客を探すのを手伝う。ローンチ後、ZenProspectは月に45%のグロースがあり、年間ランレートは100万ドルだという。売上純利益率は70%と収益が上がっている。現在、110の有料カスタマーを抱え、平均価格は月800ドルという。

15 zen prospect

Loop Genomics –遺伝子ファブリケーションと診断のためのツール
DNA制作をスケールさせようとすると、エラーが発生しやすくなる。理由は、Loop GenomicsのファウンダーTuval Ben-Yehezkelによると、これまで少量の単位でしかDNAを扱えなかったからという。 Loop Genomicsは分子毎2ドルで従来より多くのことができるという。このスタートアップはパイロットプログラムに5万ドルを獲得し、年間2100万ドルのパイロット検証のカスタマーとしてTwist Biosciencesと協力する。さらに、彼らのテクノロジーは人のDNAを診断し、がんなどの病気を検出することができるという。これはLoop Genomicsにとってさらに300億ドルのビジネスチャンスがある分野と考えている。

17 loop genomics

Locent –SMSの広告キャンペーン管理
メッセージが読まれる率を高めることに焦点を当てるLocent は、自動テキスト広告キャンペーンを製作するためのサービスだ。Eメールの開封率は23%だが、Locentは3分内に95%の開封率があるという。Locentは現在クリニックと協力し、薬を服用する時間になるとテキストメッセージで患者はリマインダーを受け取るテキスト配信を行っている。Locentは週に新規のカスタマー100社を獲得しているという。LocentのTechCrunch記事はこちら。

18 LOCENT

GoLorry –インドのトラック物流を可視化
インドのトラックの70%はオーナー自身が運転しているか、保有台数が10台に満たないオーナーが経営している。これではトラックによる配達サービスを利用したいビジネスにとって、トラックサービスを探したり、管理したりするのが難しい。GoLorryは、ビジネス、トラックオーナー、ドライバーをつなげるモバイルアプリだ。このアプリでドライバーが仕事を探したり、ビジネスが配達を管理したり、支払いを行うことができる。トラックによる物流市場はインドで1790億ドル規模と巨大で、国の成長とともに拡大している。GoLorryは物流業務をスムーズに行うために必要不可欠なサービスとなるかもしれない。

19 GoLorry

OSVehicle –電気自動車用シャシー

OSVehicleは電気自動車の「肝」を製作している。多くの人は電気自動車といえばTeslaなど、利用者が移動するための自動車を思い浮かべるだろうが、電気自動車市場にっはもう1つ別の自動車が必要とされる。そこでこのスタートアップが登場する。OSVehicleはすでに13社のカスタマーを抱え、これらのカスタマーだけでも3億ドルのビジネスチャンスがあるという。OSVehicleのチームは、BMW、Ducati、Vespaといった自動車業界からきた人材で構成される。6000億ドルの市場規模で、収益は30万ドル以上あるという。グローバルにも既存の自動車は電気自動車になることは間違いないと考え、市場は拡大することを想定している。このスタートアップは自動車製造会社が自動車を製造する時間とコストを半分にするという。

20 os vehicle

X-Zell –早期のがん検出
がんを早期の段階で検出することでたくさんの命が救える。X-Zellは簡単な血液診断で早期のがんを検出するという。健康な細胞を血液サンプルから取り除き、スライドガラスにがん細胞を乗せる。そこから病理学者が判定するという。テストではX-Zellの検出率は90%以上になるそうだ。

21 x-cell

Lattice –KPIの設置とトラック
従業員はそれぞれの目標値がどのように全体の目標につながるか見えづらい。Latticeは、全員が全体の目標を知り、チーム全体がまとまることを助けるものだ。Latticeは課題とソリューションを明確にすることで、透明性を促すという。このような目標設定に関連する市場は60億ドル規模になるという。

22 lattice

Iron Ox –全自動グリーンハウス
農業の生産コストの3分の1以上は人件費だ。Iron Oxはグリーンハウスを自動で運営できる一連のロボットを開発した。これにより受注から作物の配送まで、人の手をかけずに行うことができる。Iron Oxはすでに農場での人の手間を10%から20%削減できるロボットを開発済みだ。現在、レタス、バジル、チンゲン菜を育てているという。Google Xのドローン配達研究所から人材を採用し、Iron Oxは農業自動化に向かって先陣を切りたい考えだ。

23 Iron Ox

Physio Health –従業員のための健康管理コーチ
Physio Healthは、雇用主のコストを削減するために従業員とメンバーの健康管理に報酬を与えるモバイル健康管理プラットフォームだ。健康維持のためのインセティブプログラムに取り組む従業員の割合は少ない。しかし、Physioのプラットフォームでは従業員の33%がアクティブに使い続けるという。これは他のプログラムの5倍以上という。従業員はモバイルアプリを使って、Fitbitのような他アプリと連携させる。従業員が健康的な行動をとると報酬が得られる。報酬も従業員が欲しいものを揃えているという。従業員は欲しいものが手に入り、企業はコストを削減できて、ブランドは多くの人に自社製品を届けることができる。Physioは他にもSaaSサービスとレファレルによる収益も得ている。このスタートアップはグローバル企業のカスタマーと協力し、3万2000人の従業員にサービスを提供している。彼らのチームはハーバードのMBA取得者、行動心理学者、ゲーマーなどが参画し、300億ドルの福利厚生市場の改善を目論んでいる。

Physiohealth screenshot1

SHRI –排泄物をエネルギー源に飲み水を生成する
6億人のインド国民は、トイレの設備が不足しているために外で用を足さなければならない。これは病気の感染を引き起こし、毎年50万人の犠牲者と多大な生産性の損失につながっている。インドのSanitation and Health Rights(SHRI)は、排泄物をメタンガスに変え、それは水のフィルタリングシステムの原動力となる。最終的にきれいな飲み水を作り出すことができる。SHRIはシステムを持続可能なものにするため、生成した水を地域のコミュニティーに販売する。たった4つの施設ですでに月間9万リットルの水を生成しているという。彼らは100万ドルを調達し、きれいな水とトイレを多くの人に届けたい考えだ。SHRIはYCのの中でも印象的なセリフでピッチを終えた。「世界でも最も重要なこの課題に対して少しでも関心があるなら、ぜひ話をさせてください」。

25 SHRI

Boom –高速旅客ジェット
大金持ちでファーストクラスにでも乗らない限り、飛行機の旅は結構しんどいものだ。ファーストクラスさえ、A地点からB地点までに行く時間は他と変わらない。Boomは最速の旅客機を目指している。Boomの旅客機は他のどの航空機より2.6倍速いそうだ。サンフランシスコから東京まで通常11時間かかるところ、Boomなら4.5時間で着けるという。最初の10のBoom旅客機はVirgin Groupが保有し、来年にもフライトを開始する。BoomのTechCrunch記事はこちら。

26 boom

TrendMD –医師向け記事レコメンド
良い医薬品が利用できるようになっていても、医師はその存在を知らないことがある。TrendMDは医師に知っておくべき医薬品の臨床試験などについて知らせる。TrendMDは2000以上の医療ジャーナルと協力し、50万クリックを得ている。医薬品会社は、900万人の医師にリーチするのに340億ドルを費やしている。TrendMDは医師にリーチする良い手段となるかもしれない。TrendMDは、自社がオンラインで医師にリーチできる唯一のチャネルであるという。TrendMDはエンベッドしたウィジェットを開発し、年間ランレートは5億2800万ドルだという。月のグロースは90%で、NatureやBMJといった主要ジャーナルと提携し、カスタマーのリテンション率は今のところ100%だという。

27 TrendMD


Georgette Packaging
–サービスとしてパッケージング

Georgette Packagingは、印刷業界の仕組みを活用して1300億ドルの小規模ベーカリー向けパッケージ市場を狙う。ファウンダーのSarah Landstreetは、機械エンジニアリングとベーカリー経営という特徴的な経歴を持つ人物だ。ベーカリーはアメリカ国内だけで、11億ドルをパッケージに費やしているという。Georgette Packagingはすでにベーカリー向けパッケージを150のビジネスに販売し、ランレートは100万ドルだという。月の成長率は36%だそうだ。通常大量のパッケージを発注しなければならないが、カスタマーはGeorgette Packagingで100個単位の小ロットで購入が可能だ。

30 Georgette Packaging

mRelief –低所得者の食料費補助申請を手伝う非営利団体

年間110億ドルの食糧費補助金が申請されないのは、その書類提出のプロセスが難し過ぎるからだ。90分に及ぶ電話インタビュー、18ページに渡る申請書類、そして家族1人辺り10の書類が必要だ。mReliefは、食糧費補助の対象となる家族にテキストメッセージで10の簡単な質問を送付して作業を楽にする。mReliefで政府は時間を削減することができ、補助対象の家族には累計の収入が20%増える計算になる。mReliefはすでに5000家族をサポートし、シカゴ市と契約を取り付けた。ゆくゆくは自立した継続的な非営利団体として確立し、住宅補助や健康保険の申請、公共施設のアシスタントなどにも対応したい考えだ。mReliefのTechCrunch記事はこちら。

28 mRelief

Protonet –オンプレミスのDropbox
Protonetは安全なオンプレミスのクラウドストレージソユーションを提供し、ユーザーは設置に5分もかからない。現在Protonetを使用している企業は2045社あり、BMW、Audi、Airbusといった企業もその中の数社だ。Protonetはすでに400万ドルをプロダクトのためにクラウドファンディングで調達した。また、売上高が250万ドルになるという。ProtonetのTechCrunch記事はこちら。

29-protonet

訳注:これはシリコンバレーで随一のアクセラレーターとして知られるY Combinatorが年に2度行うデモデイを紹介する記事の翻訳記事です。Day1、Day2でそれぞれ約60社のスタートアップ企業が登壇していて、以下の4本の翻訳記事で30社ずつ紹介しています。この記事はDay2の前編です。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。