Yahooのビッグニュースデー ― 傘下の写真共有サイトFlickrの大規模改修 ― の締めくくりとして、同社はFacebook/Instagramをはじめとするオンライン写真分野のライバルとの戦いを有利にすべく、Flickr Pro版を廃止する、しかし、有料版を全面撤廃するわけではない。広告のないAd Free、およびパワーユーザー向けのdoublrを、それぞれ年間49.99ドル、および499.99で提供する。
Ad Freeサービスは、49.99ドルで写真フィードの右側に並ぶ広告がなくなる。そして、もしYahooのTumblr広告に関する今日の議論が何らかのヒントになるとすれば、近いうちにフォトストリーム中に広告が現れるようになるかもしれない。
doublrサービス(これまた母音欠落・・・これは同社のTumblr買収を後押ししたに違いない)は、499.99ドルで無料の1テラバイトに加えて追加の1テラバイトが手に入る。
Pro版 ― 3ヵ月6.95ドル、12ヵ月24.95ドル、2年間44.95ドル ― には無制限アップロード、無制限ストレージ、広告なしに加えて、アップロードした写真を縮小サイズではなくダウンロードできる、という実にたちの悪い条件があった(つまり、一般利用者はProにアップグレードしない限りフルサイズ画像をダウンロードできなかったという意味だ。オリジナルファイルは常にFlickrに保存されている)。
Flickrに近い筋から聞いたところによると、Proの終了が会社に与える影響は小さい、なぜなら元々Proが好調だったことはないからだと言う。
「全ユーザー中の比較的少ないパーセンテージしかProを使っていなかった」と本誌の情報筋は言い、はるか昔のCEO Terry Semelはプレミアムサービスを強く推していたが、彼が辞めてから(実際には在任中も)、Proバージョン推進のための「投資は事実上ゼロ」だったと付け加えた。
そうはいっても、現行のProユーザーはYahooがどう残りの年間使用料を補償するつもりなのかを心配している。Yahooの注意書きによると、今回の変更に伴い、名前の横に表示されていた “pro” バッジは削除され、Pro版のギフトもできなくなる。奇妙なことに、AOLの定額料金のやり口を彷彿されるかのように、YahooはPro版自動更新ユーザーに対しては更新を可能にしている。
実はPro版にはもう一つ役割があった。今日CEO Marissa Mayerは、Flickrを再考することになったそもそものきっかけは縮小画像のダウンロードだったと語った。「われわれのサービスを見渡してみてこう自問した。何故こんなことをしているのか? それが思考実験の始まりだった」と彼女は言った。そして、Flickrはこれ以上「劣化」画像を提供したくないという決断が下された。「われわれは画像を保管し、ユーザーはいつでも高解像度画像を利用できる。これは大きな差別化要因だ」
しかしDropbox、BitTorrent、Mega等の時代、今や写真を保存できる場所はいくらでもある。保管場所をFlickrにするためにYahooにプレミア料金を払う人などいるだろうか? いずれにせよ、既に指摘されているように、無料アカウントを2つ取ればいいところを、誰が追加ストレージに499.99ドル払うだろうか。
そんな中、FlickrユーザーたちはTumblrの先例にならって、変更に対する辛辣な批判を書き並べている。
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(翻訳:Nob Takahashi)