企業の人材教育のあり方を変えることを目指すWorkrampは現地時間1日、シードラウンドで180万ドルを調達したと発表した。
本ラウンドにはSusa Ventures、Initialized Capial、Haystack、Liquid 2、Wei Fund、Elad Gil、Adrian Aoun、Charlie Songhurst、そしてY Combinatorが参加している。同社はY Combinator Summer 2016の卒業生で、これまでに12万ドルを調達している。
Boxで5年を過ごしたWorkramp共同創業者のTed Blosserは、Boxがコンテンツ・マネジメントに変化をもたらしたように、Workrampによって従来の企業向け学習管理システム(LMS)のあり方を変えたいと語る。
「人材教育と人材開発は常に存在していましたが、LMSは退屈で古臭く、莫大な費用がかかり、誰も使いたがらないものでした」とBlosserは話す。Workrampが目指すのは、ユーザーが簡単にエンゲージでき、バックエンドで管理者がより価値のあるデータにアクセスできるLMSを構築することだ。
同社のアイデアとは、新入社員が企業について学べるデジタルな「道しるべ」を提供することで、彼らが企業に慣れるまでのプロセスを合理化することだ。新入社員を企業に適切に迎え入れることは、あらゆるサイズの企業がもつ課題だ。しかし、成長著しいスタートアップにおいては、それは特に顕著になる。
Workrampでは、新入社員がこなすべき全てのタスクを集約して整理したプラットフォームを提供することで、彼らが企業に慣れ、本来の仕事にスムーズに取り掛かるための手助けをしている。同プラットフォームでは基本的なトレーニングを配信できるだけでなく、具体的なゴールを設定することで、それぞれの企業で働くうえで必要な知識を整理し、それを従業員が効率的に学べる仕組みとなっている。
例えば、新しく配属された営業員はその週の終わりまでに、Saleforce.comの使い方を学び、取引先に送るEメールのサンプルを書き、営業用のプレゼンテーション・ビデオを作成し、配属されてから30日後、60日後、90日後ごとに達成すべき目標を立てるなどのタスクをこなす必要があるとしよう。Workrampを利用すれば、その従業員にそれらのタスクを完了するまでの効率的な計画や、アプローチの方法を与えることができる。Workrampが提供するアプローチ方法は、多くの従業員が当たり前のものだと感じる方法かもしれないが、特に設立直後の企業では、それは実はあるようで無いものなのだ。
「私たちのサービスでは、支離滅裂だったプロセスを整理して、それを一貫したプロセスに作り変えます。そうすることで、マネージャーはそれぞれの社員の進捗状況を目で見ることができるのです」とBlosserは説明する。
マネージャーはさまざまなタスクに対する従業員ごとの進捗状況を、Workrampのダッシュボードで確認することが可能だ。Blosserは、他のSaaS企業でも同様にプラットフォームの利用状況に関するデータをマネージャーに提供していることは認識していると話す一方で、同社が目指すのは全社員の状況を把握するトレーニング・センターだと語る。「すべてのチームには、それぞれのトレーニング履歴やエンゲージメントに関するデータがあります。私たちはすべてのチームを横断的に把握したトレーニング・データを提供したいのです」とBlosserは話す。
今後同社は、トレーニング開始日のチェックや、トレーニング終了後に従業員のパフォーマンスをチェックするという現在の機能に加えて、進捗状況を1年を通して管理できる機能を加えていきたいと話す。
現在7人の従業員を抱える2015年創業のWorkrampは、今回調達した180万ドルを利用して、セールスとエンジニアリングのチームを強化し、現在50社の顧客数を伸ばしていく構えだ。
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