米国時間8月17日、YouTubeはユーザーが探しているコンテンツを見つけやすくするための2つの機能アップデートを発表した。1つはビジュアル検索機能で、もう1つはユーザーの母国語のキャプションがある外国語の動画を見つけやすくする。
デスクトップ版では従来から、YouTubeのユーザーが動画のサムネイルの上にマウスを合わせると短いクリップが再生される。今後、この機能はモバイルにも拡張され、しかも動画内のチャプターを閲覧する機能も追加され、検索ページから、最も関心があるチャプターに直接アクセスできる。
プロダクト管理のディレクターであるPablo Paniagua(パブロ・パニアグア)氏はブログで次のように語っている。「サワードウの良いレシピを探していて、しかももっと上手に生地をこねたいと考えている人は、新しい検索結果ですべてのステップを動画で見ることができます。生地にイースト菌を入れるところから、パンをオーブンから取り出すところまで。しかも、こね方のチャプターに直行できます」。
もう1つのアップデートは、外国語の動画をユーザーに勧めるとき、母国語のキャプションがあるものだけを選ぶ。たとえば上のサワードウの例では、ユーザーの言語がアイスランド語で、その言語の動画に良いのがなければ、YouTubeはアイスランド語の字幕のある英語のビデオを勧めるだろう。今は英語のビデオだけだが、今後はもっと多くの言語に拡大するという。
また、インドとインドネシアでは、YouTubeがGoogle検索から他のサイトへのリンクで検索結果を補完する機能をテストしている。
パニアグア氏の説明によると「知りたい内容を十分に満たす良質な動画がYouTube上だけで必ず見つかるとは限らないため」だ。
Google検索にはすでにユーザーが動画の途中に飛べる機能がある。しかも2020年の終わりごろには、YouTubeの親会社Googleは、TikTokやInstagramの短編動画を推奨するモバイル検索機能を実験した。ただしその動画は、ユーザーをGoogleの中にキープするために、TikTokやInstagramの中ではなく検索ページの中で開く。
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YouTubeの検索機能のアップデートが行われたが、現在、プラットフォームの検索アルゴリズムをめぐる議論にまだケリが付いていない。 Mozillaは7月、調査結果を発表して、YouTubeのアルゴリズムが依然として「低級な視聴率稼ぎコンテンツ」を宣伝していると指摘した。Mozillaはブラウザの拡張機能RegretsReporterに参加したユーザーから、データをクラウドソーシングした。ユーザーに、YouTubeの本当は見たくなかったような動画を報告してもらう機能だ。Mozillaによると、そんな悪質動画は、英語以外のコンテンツが英語のものよりも60%多い。でもYouTubeは、外国語のビデオに母国語のキャプションを付けたものの推奨などは、悪質動画の排除に役立つかもしれないがMozillaの調査報告への答えではないと言っている。
「これらの機能は何カ月もかけて開発し、ハウツーやDIYなど、ユーザーが探しているものを見つけやすいようにしている」とYouTubeはいう。
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画像クレジット:Olly Curtis/Future/Getty Images
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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)