YouTubeにインターネットテレビの広告でもっと買い物しやすくなる新機能追加、Z世代をターゲットに

米国時間5月4日、YouTubeは広告主たちに、同社の動画プラットフォームで視聴者が買い物できる機能を予告的に紹介した。同社が近く導入するその新しい対話的機能は「ブランドエクステンション」と呼ばれ、広告主がそれを利用すると、動画の視聴者がボタンをクリックして画面に映っている商品の詳しい情報が得ることができる。

広告主はその新しい広告形式を使って、自分のウェブサイトのリンクや、インターネットテレビの広告中のその他のアクションを高輝度で表示できる。視聴者が「電話へ送る」をクリックすると、その宣伝やURLそのものがモバイルデバイスへ飛ぶが、その際、動画の視聴そのものは邪魔されない。

消費者はモバイルデバイスから、商品を閲覧したり、カートに品物を加えたり、決済を完了したりの買い物体験を通常どおりできる。しかもそのショッピング機能のある商品情報は、動画の視聴を中断されずにモバイルへ送れる。

広告主は、その動画の内容によって広告をターゲティングできる。たとえばフィットネスの動画なら、そこには新商品のランニングシューズのブランドエクステンションが出るだろう。

YouTubeによると、ブランドエクステンションのコンバージョンレートはGoogle Adsで直接見られるようになる。

eコマース関連のもう1つの取り組みとして、これからはブランドがそのダイレクトレスポンスビデオ広告に商品の閲覧用画像を加えられる。つまり、関心を持ったショッパーがその画像をクリックすると、その商品のウェブサイトやアプリへ飛ぶことができる。

YouTubeが自らをeコマース化しようと努力している機能はさらに多く、ここで取り上げているのはごくわずかな例にすぎない。

消費者、特に若いZ世代は、動画を見たりその他の関わり行為をしながらついでにショッピングする傾向があり、Popshop LiveNTWRKShopShopsTalkShopLiveBambuserといったたくさんの動画ショッピングサービスが登場している。Facebookも、FacebookとInstagramの両方でライブのショッピング(何かをしながら見ながらのショッピング)や動画からのショッピングに投資している。

一方、TikTokはWalmartとともに動画によるeコマースのホームになり、最近の数カ月でショッピングのライブストリームを複数ホスティングした。TikTokの中国資本からの切り離しと売却をトランプ元大統領が強制しようとしたときは、Walmartも買い手の名乗りを上げた。他にも、eコマースにおけるTikTokの成功例には、動画にウェブサイトのリンクを統合するツールや、Shopifyの統合などがある。

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Comscoreのデータによると、YouTubeは今でも、広告入りストリーミングサービスの全視聴時間の40%を占めているため、動画ショッピングの見込み客の数も大きい。YouTubeによると、米国のインターネットテレビの市場では上位5社のストリーミングサービスが80%のシェアを占めている中で、広告入りはわずか2社だ。

しかも広告は、YouTubeのeコマース振興努力の一部にすぎない。クリエイターの役割も大きい。

2020年秋のBloombergの記事によると、YouTubeはクリエイターたちに、彼らの動画クリップに商品が登場するとき、それにタグと追跡機能を持たせることを求めた。その後YouTubeは2021年の2月に対する説明を行い、視聴者が自分の好きなクリエイターから買い物できる機能をベータテスト中で、その本番展開は年内と発表した。

ただし、ブランドエクステンションはそれとは別であり、動画からショッピングできる機能を広告主に与える。YouTubeによると、ブランドエクステンションのある広告は、同社が他にもいろいろ用意している対話的機能の第1弾にすぎない。そしてそれは、2021年後半にグローバルで展開される。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleYouTubeeコマース広告

画像クレジット:Olly Curtis/Future/Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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