YouTubeのCEOであるスーザン・ウォシッキー(Susan Wojcicki)が、Fortuneの主催するBrainstorm Techカンファレンスにて、YouTubeの将来について話をした。FacebookやTwitterなど、ライバルの動向に関する質疑も行われた。
まず現状については、大方の予想通り「YouTubeへのアクセスのうち50%はモバイルデバイスからのものです」とのこと。こうした状況をうけ、YouTubeが考慮すべき優先事項は「1にモバイルであり、2番目にモバイル。そして3番目にもやはりモバイルということになります」とのこと。
「もし適切な企業がYouTubeを買収したいと名乗りを上げれば、それもひとつの可能性としてはアリなことでしょう」ともウォシッキーは述べた。「わたしたちの目標を早期に達成する方法があるのなら、その方法を採用すべきだと考えているのです」とAdam Lashinskyのインタビューに応えた。
ウォシッキーはさらにMusic Keyについても話をしていた。Music Keyとは、YouTubeが昨年ベータ版として立ち上げた、広告なしのサービスだ。オフラインでも、そしてバックグラウンド(他のアプリケーションを操作中)であっても音楽を聴くことができる。
サービスを当初の予定通り月額10ドルで開始するつもりなのかどうかについては質問も、あるいはウォシッキー自らの言及もなかった。広告なしに音楽を楽しみたいという利用者に向けた各種サービスと同じ程度の価格となっており、価格はこの線となるのだろう。ちなみに他のサービスと比べ、楽曲に関連するビデオをシェアしたり、あるいはアマチュアによるカバー楽曲などを閲覧することもできるわけで「他サービスに比してかなり幅の広いサービスを提供できると考えています」という発言も理由のないものではなさそうだ。
ところでウォシッキーは、今回もYouTubeの成長具合について具体的な数字では説明してくれなかった。たとえば2014年、YouTubeは40億ドルを売り上げたが利益は0だったと伝えられているが、この情報の詳細に関する質問にも回答はなかった。YouTubeの収支については、話してしまった方が本当はらくなのだけれども、と述べている。しかし「パートナーの売上には大いに貢献している」と述べるに留まった。
ちなみに「YouTubeとして専任タレントを抱えるつもりはあるのか。そしてそれは望ましいことと思うか」という質問も出た(過去において、クリエイターに対して複数年の独占提供契約を持ちかけたことはある)。直接的な返答は避けたが、トップタレントとの独占契約は意味のあることだと思うと述べていた。「必要かどうかは難しい話ですが、YouTubeから生まれてくるタレントというのはいます。そしてYouTubeをホームとして活躍してくれる人がいれば嬉しい話です」。
ファンたちも、トップタレントの姿を、その「ホーム」で見てみたいと思うのではないでしょうか、とのことだ。
[原文へ]
(翻訳:Maeda, H)