女性限定チャット相談サービス「メンヘラせんぱい」を手がけるメンヘラテクノロジーは3月9日、第三者割当増資による資金調達を発表した。引受先はみらい創造機構。調達額は非公開としているものの、数千万円規模とみられる。
調達した資金により、メンヘラせんぱいの機能拡充を図り、より多くのユーザーが気軽に悩みを相談し「幸せに病める」体験を深めていくとともに、サービスのさらなる認知拡大を目指す。また現在、メンヘラせんぱいはウェブ版のみの提供としているが、iOS版のリリースを目指し開発を進めている。
メンヘラテクノロジーは「幸せに病める世界をつくる」を目標に、メンヘラせんぱいを開発・運営。同サービスのこれまでの相談受付件数は2200回以上、相談の受け手となる「せんぱい」の登録数は300人を超えた。
メンヘラせんぱいは、辛いときにいつでも安心して使えるというチャット相談サービス。相談の受け手の「せんぱい」は全員女性で本人確認済み。また通過率約20%の選考をクリアした人のみが担当しており、チャットで話した内容は外部に漏れないとしている。
メンヘラせんぱい概要
- 利用対象者は女性のみのチャット相談サービス
- 相談の受け手の「せんぱい」は全員女性・本人確認済み
- せんぱいは専門家ではなく、カウンセリングのような専門的なアドバイスなどは行わない
- 利用料金(せんぱいによって料金が異なる):5分コース100円〜、10分コース150円〜、30分コース300円〜(すべて税込)。また1日あたりメール1通(140文字まで)の無料相談が可能
- 営業時間:平日午後6時〜午前3時、土日午後1時〜午前3時
同社によると、誰かに話を聞いてもらいたいとき、身の回りの家族や友達をうまく頼ることができなかったり、ネット上ではなかなか安心して話せる相手がいなかったり、気軽に安心して話を聞いてくれる相手がいないという課題があるという。
公共団体やNPOが運営する無料の相談窓口はあるものの、相談の受け手の負担が大きく受け手が非常に不足している状況にある。このような背景を踏まえ同社では、いつでもすぐに、安心して利用できるチャット相談サービスとして、メンヘラせんぱいの開発に取り組んでいる。
また安心して相談してもらうため、「せんぱい」希望者の女性には、同社に登録するまでに話の聞き方について学び、トレーニングも受けてもらっているそうだ。
2018年8月設立のメンヘラテクノロジーは、「幸せに病める世界をつくる」を夢に掲げ、サービスの開発に挑戦しているスタートアップ企業。落ち込んだり、辛くなったり、悲しかったりすることは人間にとって大事なことだと考え、「病む」ことや「メンヘラ」であることを受け入れ、幸せになれる方法を模索している。
関連記事
・マインドフルネス入門に最適、コロナ禍の不安解消やClubhouse疲れにも有効な瞑想アプリ「Calm」をレビュー
・精神科医が監修のオンラインカウンセリング「マイシェルパ」が資金調達とサービス開始発表
・書く瞑想アプリ「muute」がAppStoreのヘルスケア/フィットネス領域で1位獲得、新機能も発表
・メンタルケアアプリのemolが「国内メンタルヘルステックカオスマップ 2021年版」公開
・非営利Tech集団「ZIAI」がAIを活用したSNS自殺関連キーワード検知システムのβ版をリリース
・自分だけのAIライフパートナーと対話できる「PATONA」アプリのCapexが総額1億円を調達
・チャット相談サービス「メンヘラせんぱい」がキャバ嬢と臨床心理士に相談できる新プランを提供