ライセンスされた音楽をソーシャルメディアで使えるようにするSongclipが約12億円を調達

Songclipのチームは、ソーシャルメディアではもっと音楽が使われるようになるだろうと考えている。

確かに、TikTokやTrillerなど一部のアプリでは音楽はエクスペリエンスの重要な一部だ。しかしSongclipの共同創業者でCOOのJohn vanSuchtelen(ジョン・ヴァンサッテレン)氏は筆者に対し「それは音楽が目玉になることの最終形ではなく、始まったばかりです」と語った。

さらに同氏は「今後9〜12カ月のうちに、カメラが付いていない携帯電話を決して使わないのと同じように、ビデオを作る際に目玉としてミュージッククリップを追加する機能がないアプリは使われなくなるでしょう」とも述べた。

それが、ヴァンサッテレン氏と共同創業者でCEOのAndy Blacker(アンディ・ブラッカー)氏がSongclipで実現したいことだ。米国時間3月9日、同社は新たに1100万ドル(約12億円)を調達したと発表した。

Songclipは、アプリと統合してユーザーが音楽を探し共有できるようにするAPIを開発している(現時点では写真とビデオ編集アプリのPicsArtと統合されている)。ヴァンサッテレン氏は、Giphyで動画クリップを検索して共有できるのと同様に、Songclipは新しいメディアのフォーマットであるショートオーディオクリップを普及させて幅広いサービスで利用できるようにする構想であると述べた。

同氏はこう語る。「もし私があなたに4分間の曲を送るよといっても、それはできないでしょう。それではコミュニケーションをとることができません。音楽を選んでソーシャルの場面で使えるようにするにはどうすればいいでしょうか」。

ブラッカー氏は、これを実現するためにSongclipは音楽のライセンスを扱うことに加え、独自のタグづけとクリッピングをする他、音楽レーベル向けには知的財産を保護するツールと音楽の利用者に関するデータを提供すると説明した。そしてGiphyとは異なり、Songclipはコンシューマ向けブランドにするつもりはないという。

こうしたことはすべて人間のエディターとテクノロジーを組み合わせて実行する。ブラッカー氏は、曲のニュアンスや関連性を理解するには人間が重要だという。例えばサイモン&ガーファンクルの「Bridge Over Troubled Water(明日に架ける橋)」は橋や水の歌ではないし、カトリーナ&ザ・ウェイブスの「Walking on Sunshine」は歌詞に「happy」という言葉は使われていなくてもハッピーな曲だというようなことだ。

Songclipはこれまでに2300万ドル(約25億円)を調達した。今回のラウンドはEvolution VC PartnersのGregg Smith(グレッグ・スミス)氏が主導した。他にThe Kraft Group、Michael Rubin(マイケル・ルービン)氏、Raised in Space、Gaingels、Forefront Venture Partnersや、音楽業界の有力者であるJason Flom(ジェイソン・フロム)氏、Steve Greenberg(スティーブ・グリーンバーグ)氏、そしてバンドのAJRも参加した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Songclip資金調達ソーシャルメディア音楽

画像クレジット:Songclip

原文へ

(文:Anthony Ha、翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。