[筆者: Ron Miller]
Red Hatの本日(米国時間4/7)の発表によると、Red Hat Enterprise Linuxの顧客は、その利用権をGoogle Compute Engineなどのクラウドサービス上に移せる。そしてこれはRed HatとGoogle両社にとって有利な措置となる。
Red Hatが提供している“利用権移動(bring your own subscription)”プランにより、Red Hat Linuxのユーザはオンプレミスのインストールを、Google Compute Engineなど、Red Hatが承認しているクラウドベンダのパブリッククラウドへ移せる。
GCEなどへの移動にはRed Hatが提供しているツールを使用し、ユーザは今後もRed Hatのサポートを引き続き受けられる。ただしその場合、対象は単一のベンダでなければならない(複数のベンダがからむ問題はノー)。複数のベンダがからむと、問題の原因の同定などが困難になるからだ。
Google Cloud PlatformのプロダクトマネージャMartin Buhrは、今回の措置を、Googleのプラットホームの評価が定着した証(あかし)と見ている。“Red Hatの発表は、Googleのクラウドプラットホームへの信頼の表れだ。とくに、エンタプライズアプリケーションの展開に適したプラットホームと見なされている。これまでも、RHELをGCEの上で展開したいというリクエストは多かった。うちがこのプログラムに含まれる二番目のクラウドプロバイダであったことを、嬉しく思っている”、とBuhrは語った*。〔*: 利用権移動(bring your own subscription)”プラン(承認プロバイダ)、(日本語ページ…プロバイダリスト)。〕
Red Hatにとってこのプログラムは、展開の仕方を各社自由にする、という方針の表れだ。各顧客の要件に応じて、物理的な展開(オンプレミス)と仮想(クラウド)のどちらでも認め、また両者の混成も認めていく。
Red Hatのクラウド部長Mike Ferrisによると、これによりエンタプライズユーザがパブリッククラウドを使いやすくなる。
彼はこう言う、“コンピューティングとネットワーキングとストレージとマネージメントの技術革新により、Google Compute Engineのようなエンタプライズ級の大規模なクラウドサービスが可能になった。顧客のビジネスニーズやオペレーションのニーズに柔軟に対応していくためには、オンプレミスとオフプレミスの臨機応変な使い分けが可能な環境を提供していかなければならない”。
オープンソース方面の長年の常連ライターSteven J. Vaughan-Nicholsは、これは両社にとって得だ、と言う。“Red Hatは今後ますますRHELのクラウド顧客を増やしたいし、GoogleはGCEの企業ユーザを増やしたい。これは、オープンソースの天国で結ばれた結婚だ”。
GoogleがRed Hatの認定クラウドプロバイダ事業に参加したのは、Google Compute Engineが一般公開される1か月前だった。先月末にGoogleは、AWS対抗策として、サービスの大幅値下げに踏み切った。
画像: Flickr/Karen Ka Ying Wong; CC BY-SA 2.0のライセンスによる。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))