従業員2人の企業から2万人の企業まで柔軟な福利厚生の実現を支援するLevelが約29億円調達

従業員への福利厚生に関するより柔軟な方法を企業に提供することを目指しているスタートアップLevel(レベル)は、Khosla VenturesとLightspeed Venture PartnersがリードしたシリーズAラウンドで2700万ドル(約29億円)を調達した。

既存投資家のFirst Round Capital、HomebrewとともにOperator Collectiveと一流のエンジェル投資家も参加した。本ラウンドでLevelのバリュエーションは「9桁」となったと報じられたが、同社は具体的に明らかにしなかった。

2018年に創業され、ニューヨークに拠点を置くLevelは、雇用者と被雇用者が福利厚生を最大限に活用するのをサポートすべく、フレキシブルなネットワークとリアルタイムの請求を通じて「ゼロから保険を再構築」していると話す。

雇用者は、あらゆる治療の費用を100%カバーするオファーなどのように保険プランをカスタマイズできる。同社はまた、保険請求を4時間で処理することができるとうたう。

「従来の保険会社が請求を処理するのにかかる30〜60日に比べると、かなりのスピードです」と創業者でCEOのPaul Aaron(ポール・アーロン)氏は話した。同氏はSquareの最初の従業員の1人であり、Oscar Healthでネットワークチームを率いた経験がある。そして決済業界におけるいくつかの特許を持つ発案者でもある。

Levelはまず雇用者が保障する歯科治療のプランを2019年夏に立ち上げ、その年の秋にベータ版の顧客に提供を開始した。そして現在は眼科のプランも提供している。同社はIntercom、Udemy、KeepTruckin、Thistleなどを含む企業1万社超を顧客に抱え、顧客企業はLevelのプラットフォームを通じて治療の費用を払ってきた。

「保険はわかりにくく、不平等だと感じることが多いものです。ネットワークによって利用できる医療機関が限定され、請求には数週間かかり、思う以上に手間がかかります」とアーロン氏は話した。「保険での支払いは他の商品の購入と同じくらい簡単であるべきだと思います」。

Levelはフルスタックアプローチを取っていて、自動化された査定からリアルタイムの福利厚生分析までエンド・ツー・エンドのツールを構築している、と同社は話す。

「中小企業が充実した福利厚生を提供するのをサポートする」ことを目的に、同社は新しい保険プロダクトを立ち上げる計画だ。充実した福利厚生は通常、大企業だけが提供できる。Levelはまた、雇用者が毎月決まった額を払った後、使っていない福利厚生のお金を取り戻すのをサポートすることも目指している。究極的には、従業員2人という企業から2万人という企業まで、あらゆるサイズの企業がより良い福利厚生を自社の従業員に提供できるようにする一連のプロダクトを展開できるようになるのが最終目標だ。

Levelは、歯科と眼科の自家保険プロダクトでは企業が従業員により広範なカバーを提供できる一方で、企業は福利厚生予算を20%減らせる、と主張する。

「雇用者は福利厚生にかなりの金を使い、雇用者も被雇用者も十分に恩恵を受けていません」とLightspeed Venture PartnersのJana Messerschmidt(ヤナ・メッサーシュミット)氏は声明で述べた。「あらゆる規模の事業者は、人々が給料をその他のことに使えるようにする革新的な福利厚生で人材を獲得する必要があります。Levelははるかに優れた雇用体験を提供し、払うだけの価値があります」。

一方、 KhoslaのSamir Kaul(サミル・カウル)氏は「Square Cashが個人間の決済のためにしていること」をLevelは保険と福利厚生でできると確信している、と述べた。

投資家のFirst Round Capitalは完全保険からLevelに切り替えることで47%節約できたと主張する。そしてThistleはLevelへの切り替えで41%節約できたと話している

カテゴリー:その他
タグ:Level資金調達福利厚生保険

画像クレジット:Level early team:Vikas Unnava, founder & CEO Paul Aaron, Ashley Koh / Level

原文へ

(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。