GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は22日、飲食やアパレルなどのリアル店舗での支払いがスマホアプリ上で完結するサービス「GMO Pallet」の提供を開始した。ユーザーは事前にアプリをダウンロードし、クレジットカード情報を登録。店舗ではチェックインと4桁の暗証番号を入力することで決済が完了する仕組み。
GMO-PGの村松竜取締役副社長は、「テーブル会計がキラーコンテクスト」と話す。例えば飲食店でカード決済をする場合、カバンから財布を取り出してカードを店員に渡し、しばらくして伝票が届いてからサインをする。これに対してGMO Palletは、アプリで店舗にチェックイン、暗証番号の入力、という2ステップで決済が完了するので、カード決済の煩わしさが解消されたり、スマートな会計で好感度が上がるかもしれない。
具体的な決済方法としてはまず、アプリ上でGPS情報をもとに表示される店舗にチェックインする。その後、店舗側が専用アプリで入力した金額がユーザー側のアプリにも表示される。ユーザーは、自分もしくは店舗側のアプリで暗証番号を入力すると決済が完了する仕組み。レシートはユーザーに通知されるが、紙のレシートや領収書の発行には対応していない。
GMO-PGでは22日、渋谷区道玄坂エリアを中心に導入希望店舗の先行受付をスタート。これにあわせて、GMO Palletを導入する飲食店などを100店舗集める「店長100人委員会」を発足し、現在は約40店舗が参加している。1年後には東京の主要商業地域で1万店舗への導入を目指す。
店舗はサービスに申し込んだ後、「GMO Pallet レジ」アプリをスマホかタブレットにインストールする必要がある。店舗側としては、決済処理にかかる業務の効率化を図れるだけでなく、一度来店したユーザーにプッシュ通知でメッセージを送信できることも大きなメリットになるという。店舗の決済手数料は3.24%。
今後は、購入商品が決まっているコーヒーショップなどの店舗において事前決済にも対応する。これは“顔パス”で決済できる「PayPalチェックイン支払い」と似たサービスだが、PayPalは店舗側があらかじめユーザーから通知された氏名と顔写真をレジで照合するのに対して、GMO Palletはアプリの操作だけで完結する。