豊田自動織機と自律型フォークリフト開発のThird Wave Automationが戦略的提携

豊田自動織機(TICO)との戦略的提携が発足し、自律型フォークリフトを開発するThird Wave Automation(サードウェーブ・オートメーション)が、投資家からさらに4000万ドル(約44億円)を獲得した。

2018年創業で、カリフォルニアを拠点とするThird Wave Automationは、規制当局に提出したForm Dによると、Norwest Venture PartnersがリードするシリーズBラウンドで4000万ドル(約44億円)を調達した。ラウンドには、既存の投資家であるInnovation EndeavorsとEclipseに加え、Toyota Ventures(トヨタ・ベンチャーズ)も参加した。Norwest Venture PartnersのゼネラルパートナーであるMatt Howard(マット・ハワード)氏は、Third Waveの取締役会に参加する。

Third WaveのCEOであるArshan Poursohi(アーシャン・プルソヒ)氏がTechCrunchに語ったところによると、今回の資本注入は、世界のフォークリフトの3分の1を製造しているTICOとThird Waveの提携をハワード氏が知ったことから始まった。5月に発表されたその提携の下、Third WaveとTICOは共同で自律型フォークリフトを開発する。この機械はTICOの工場で製造され、Third Waveからセンサーと計算基盤が提供される。Third Waveはソフトウェア面を支援する。

チーフロボティシストのMac Mason(マック・メイソン)氏とJames Davidson(ジェームズ・デビッドソン)氏(退社済み)を含むThird Waveの共同創業者3人はロボット工学の分野で長い経験を持ち、Google(グーグル)のロボットプログラムやGoogle Research、トヨタ・リサーチ・インスティテュートなどで一緒に仕事をしてきた。

「私たちは、あらゆる種類のロボットに関わってきました」とプルソヒ氏は話す。「しかし、私たちが作ったロボットはすべて、Googleや、私の場合はSun Microsystems(サン・マイクロシステムズ)が、コアビジネスではないという理由で開発拡大の価値がないと判断したり、その他の理由によったりして、結局クローゼットのどこかに眠っていました」。

そこで彼らは、自分たちの会社を設立し、実際に使えて直ちに必要とされるロボットに取り組むことにした。

「フォークリフトに注目したとき、それは操作性の美しさの問題でした。つまりそれは、そもそも実際に世界と接点を持つことを目的としたロボットでした」とプルソヒ氏は語る。「しかも、数十年単位では測れない時間軸で、実際に作って出荷することができるものです」。

彼らが開発したフォークリフトは、シェアード・オートノミーと呼ばれる方式で動作する。それはこういうことだ。パレットを持ち上げ、移動することができるフォークリフトは、稼働時間の90%は単独で動く。だが、必要が生じれば、すべてのロボットを遠隔操作することもできる。ロボットの操作は簡単だ。ということは、ロボットが何かに遭遇して動かなくなった場合には、Third Waveではなくその顧客の現場の社員が遠隔操作でサポートすることができるわけだ。

「私たちが物流やサプライチェーンの分野で生み出せるインパクトがあります。それはパレットをさまざまな所へ移動させるだけで可能になります。それこそが私たちが取り組んでいることです。私たちの技術の特徴は、非常に早く立ち上げることができ、ブラウンフィールドの環境でも機能することです」とプルソヒ氏は語る。

同社はまだ開発の初期段階にあるが、前進している。今回の資金調達と最近の技術試験完了による勢いで、採用活動を加速し、商業化に集中することができるとプルソヒ氏はいう。同氏は、同社が業界内のサードパーティー物流オペレーターや小売業者20社と活発にやりとりしていると指摘した。

「あらゆる技術的な側面を試み、確かな答えを得ています」とプルソヒ氏は話す。「これからの1年半から2年は、オペレーションチームの規模を拡大していくことになります。そして今、この製品に対する市場の需要は圧倒的です」。

目標は、2022年末までに100台をフィールド(倉庫などの屋内)に投入し、2023年末までにそれを350~400台に拡大することだ。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:豊田自動織機Third Wave Automation資金調達倉庫自動運転

画像クレジット:Third Wave Automation

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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