アップルが不評だったSafariの変更点をiOS 15 beta 6で修正、再びアドレスバーの上部表示も可能に

Apple(アップル)は、次期iOS 15でモバイル版「Safari(サファリ)」のデザインを変更し、アドレスバーを画面の下部に移して、ページのコンテンツの上に重ねる(フローティングさせる)としていたが、物議を醸したこの決定から、ゆっくりと後戻りしつつあるようだ。このデザイン変更は、片手でSafariの操作がしやすいようにすることを主な目的としていたものの、実際にはこれによって以前より使いにくくなったという批判を受けていた。今回リリースされた最新のベータ版であるiOS 15 beta 6では、アップルはユーザーからのフィードバックや不満に応え、ページコンテンツの下にタブバーを表示するようにデザインを修正。このアップデートが気に入っていた人にも、標準的な体験を提供することになった。さらに重要なのは、アップルが画面下のタブバーをユーザーに強制しなくなったことだろう。

関連記事:アップルが物議を醸しているiOS 15のSafariの変更を最新ベータで微調整

最新リリース版では、アドレスバーを以前のようにページの上部に表示するオプションが追加されたのだ。今回のアップデートが気に入らなかったユーザーは、これで「普通」に戻すことができる。

タブバーの変更前と変更後(画像クレジット:スクリーンショット)

フローティングしたタブバーに対する大きな不満は、ウェブページによってはクリックしたいボタンやリンクがこのタブバーに遮られてしまうため、ほとんど使えなくなってしまう場合があることだった(タブバーに遮られた箇所をクリックするためには、いちいちタブバーを下にスワイプしなければならなかった。これでは最適なデザインとはとてもいえない)。

iOS 15のSafariでは下のバーのせいでチェックアウトボタンが押せないので、テイクアウトの注文ができない日が続いている。

あのブルスケッタを食べさせてくれないなんて、ありがとうSafari

フェデリコ・ヴィティッチ

iOS 15 beta 6では、これらの問題が解決されている。基本的に、タブバーの外観は以前のように、つまり画面の上部に設置されていた頃と同じように、見慣れたボタンが並んでいる。タブバーがウェブサイトのコンテンツを遮ることもなくなった。

ベータ版をテストした人からは、リロードボタンやリーダーモードなどのよく使う機能を、3つのドットで表示された「その他」メニューの下に隠すというアップルの独自の判断が、Safariを以前よりも使いにくくしているという指摘もあった。iOS 15 beta 4では、この問題を解決するために、リロードボタンと共有ボタンを復活させ、リーダーモードが利用可能な場合は表示されるように修正した。しかし、それでもボタンは小さく、以前よりもタップしにくかった。

新たに変更されたタブバーと、それが画面の上下に関わらず、普通に戻ったことは、この問題に関するユーザーの不満が妥当であると、アップルが事実上認めたことになる。また、これはベータテストの本来の目的である、新しいアイデアを試して、うまくいかなかった点は修正するということのデモンストレーションでもある。

この修正とは別に、beta 6ではタブバーをページの最上部に戻すこともできるようになった。そちらの方が好みであれば「設定」→「Safari」で、デフォルトの「タブバー」と、アドレスバーを画面上部に配置する「シングルタブ」のいずれかを選択できるようになった(ただし後者を選択すると、タブバーでは可能だった、開いているタブをスワイプして切り替える機能が失われる)。

アップルがデフォルト設定の代替となる選択肢を用意するのはよくあることだ。例えばMacのトラックパッドでは、ジェスチャーやクリックがどのように機能するかをユーザーが設定できるようになっているし、かつて物議を醸した「自然な」スクロール方向のオプションをオフにすることもできる。しかし、アドレスバーを最上部に戻すオプションが追加されたことは、iPhoneで最も頻繁に使用されるアプリケーションの1つであるSafariの使い方を学び直したくないと考えるユーザーが相当数いると、認めたということである。もし、そのようなユーザーにこの変更を強要すれば、彼らは代わりに他のブラウザを使うようになるかもしれない。

アップルは通常、iOSソフトウェアの最新版を秋にリリースするため、一般公開に先立って行われるSafariの変更は、今回のアップデートが最後になるかもしれない。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 15ベータ版ブラウザSafariアプリ

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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