Googleが今日(米国時間5/7)、同社がクラウドをモニタするサービスStackdriverを買収したことを発表した。今後Googleは、同社のCloud Platformの機能の一環として、同サービスの機能を提供していくものと思われる。買収の価額等は公表されていないが、Stackdriverはこれまで、Bain CapitalとFlybridge Capitalがそれぞれ率いる2回のラウンドにより、計1500万ドルを調達している。
2012年にローンチしたStackdriverは、ユーザのクラウドアプリケーションの監視を代行し、問題が起きたときにはdevopsの一部を自動化、そして、ユーザのクラウド利用状況を詳細に数字で把握し記録する。
これまで、Amazon Web Servicesのモニタリングが主だったが、個別のサーバや、Rackspaceのクラウドサービス、Google Cloud Engineのインスタンスなどもサポートしている。昨年同社がシリーズBの資金調達ラウンドを完了したときに、協同ファウンダのIzzy AzeriとDan Belcherに聞いたところによると、今後はもっとサポートする対象サービスを増やしたいという話だった。そういった努力が、今回の買収に結びついたのだろう。
Googleとしては、Stackdriverの既有のサービスはすべてそのまま継続させ、ユーザにはハイブリッドなクラウド環境に対しても使えるツールを提供していく。ただしStackdriverのチームは当面、Google Cloud Platformとの統合化に追われ、主にGoogleの顧客に“同社の高度なモニタリング能力を提供して”いくことになる。そしてそれが、顧客においては、Googleのクラウドサービスを利用することのアドバンテージにもなる。
Googleのクラウドプラットホームが一種の節目を迎えているときに、この買収が行われた、とも言える。数週間前にはまずクラウドストレージをめぐる小規模な価格戦争の口火を切り、その後は同社のクラウドストレージとコンピューティングサービスに多様な新サービスをローンチしていった。Googleはクラウドプラットホームサービスに関して、相当本気だと伺われる。今のところ、この世界のリーダーはAmazon Web Servicesだが、AWS自体は使いやすいモニタリング機能をまだ提供していない。
だからStackdriverの高度なモニタリング機能を加えたGoogleは、そのプラットホームを市場でより目立たせることができ、クラウドコンピューティングがコモディティ化して料金も下がる一方、コアなコンピューティングとストレージサービスが主体であるかぎりは各社の差別化要因もほとんどない、というこの時期に、他社に鼻の先ぐらいの差をつけることが、できるかもしれない。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))