インドの格安ホテルチェーンスタートアップOyo(オヨ)は早ければ来週にも新規株式公開の書類を提出する。この件に詳しい人物がTechCrunchに明らかにした。世界第2位のインターネット市場であるインドで株式公開に取り組んでいるひと握りの企業に仲間入りする。
まだ秘匿事案であることから匿名を希望した複数のバンカー情報筋によると、27歳のRitesh Agarwal(リテッシュ・アグルワール)氏が興した創業7年のOyoはIPOで12億ドル(約1320億円)を調達しようとしている。
この内容は今後数日で若干変わる可能性はあり、IPO書類の提出も追加でもう数日かかるかもしれない、と情報筋は話した。
Zomato(ゾマト)、そして Paytm(ペイティーエム)やPolicyBazaar(ポリシーバザール)などを含むいくつかの会社と同様、Oyoはインドの証券取引所に上場する計画だと情報筋の1人は話した。
投資家にソフトバンク、Lightspeed Partners(ライトスピードパートナーズ)、Airbnb(エアビーアンドビー)などを抱え、直近の評価額が96億ドル(約1兆570億円)だったOyoは、3カ月前の時点で銀行口座に7億8000万ドル(約860億円)〜8億ドル(約880億円)を持っていて(このほど開かれた会議でのアグルワール氏の公のコメントによる)、7月にデットで6億6000万ドル(約730億円)を調達した。
Microsoft(マイクロソフト)からの戦略的投資で最近約500万ドル(約5億5000万円)を調達したOyoは約36カ国で事業を展開している。インドで最も評価額の大きな企業の1つである同社は、ホテル経営者がデジタルで予約や支払いを受けられるようにするオペレーティグシステムのようなものを開発した。このテクノロジースタックを使って、同社はホテル経営者が部屋の最適な価格を決めたり、インターネット上でホテルを見つけやすくしたりするのをサポートしている。Booking.comやMakeMyTripといったサードパーティのホテル予約サービスの統合も手伝っている。
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旅行やホスピタリティ産業の大半の企業と同じく、Oyoはパンデミックで大打撃を受けたが、ここ数カ月でかなり回復した。
同社の売上高の大半は、ワクチン接種が進むにつれてロックダウン規制を緩和したインドやマレーシア、インドネシア、欧州などを含む一握りのマーケットからきている。
7月のBloomberg TVとのインタビューの中で、アグルワール氏はOyoが「すでに上場企業のように事業を展開している」と述べたが、すぐに上場するつもりなのかどうか明言は避けた。同社はこれまでのところIPO計画についてはコメントしていない。
画像クレジット:Akio Kon / Bloomberg / Getty Images
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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi)