DevOps SaaSプラットフォームである「Esper(エスパー)」は、カテゴリーの構築を進め、接続されたデバイスの数が増える中、需要を先取りするために新たな資金調達に挑むこととなった。
シリーズBで3000万ドル(約33億4000万円)の資金調達を発表してからわずか5カ月後、Insight Partners(インサイト・パートナーズ)が主導するシリーズCで6000万ドル(約66億8000万円)というさらに大きな資金調達を行った。シリーズBのリード役であるScale Venture Partners(スケール・ベンチャー・パートナーズ)、Madrona Ventures(マドローナ・ベンチャーズ)、Root Ventures(ルート・ベンチャーズ)などの既存の投資家も参加している。この投資により、Esperの資金調達総額は1億ドル(約110億円)に達した。
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共同創業者でCEOのYadhu Gopalan(ヤドゥ・ゴパラン)氏はTechCrunchに対し、現在すでに数十億台のIoTデバイスが存在しており、毎年指数関数的に増加していると述べている。この成長は、技術革新と、特に世界的なパンデミックの中で、技術革新を行うことを最優先する企業よってもたらされている。
「その理由は、リモートで新たな用途を顧客に提供するための代替手段を必要としているからです。この傾向は、デバイスがクラウドに接続されるようになったときから始まっています。企業がクローズドなソリューションからクラウドに移行し、優れた顧客体験を提供したいと考えるようになったことが重要です。私たちは、その課題を解決しています」と彼は付け加えた。
Esperを使用することで、企業はこれらのデバイスやカスタムアプリをリモートで拡張、管理、保護、更新することができるようになる。ゴパラン氏によると、DevOpsの手法は今や標準的なオペレーションとみなされているそうだ。
しかし同氏は、この業界は「本来あるべき姿からまだ10年ほど遅れている」と指摘しており、それこそがEsperが取り組んでいるニーズだという。
遅れているとはいえ「モノのインターネット(IoT)」は誰もが追いつける速度に減速しているわけではない。2027年には1兆1000億ドル(約122兆円)の分野になると予測されており、IoT接続されたアクティブなデバイスの数は2025年に309億台に達すると予想されている。そのうち企業側には、旅行、レストラン、倉庫で使用されるタブレット、医療機器、フィットネス機器、店舗内キオスクなどのデバイスが含まれる。
現在、シアトルを拠点とするEsperは、200社以上の有料顧客と、2000人以上の開発者がプロダクト開発のために同社のプラットフォームを利用している。収益の伸びは2020年の4倍を目標にしており、人員も2021年は4倍に増やしたとゴパラン氏は述べている。
Esperが需要に応えるために行っていることの一部を紹介すると、Esperは、企業が100台のデバイスから無料で登録して始められるようにし、プラットフォームの機能を確認できるような仕様にしている。また、パートナー企業と協力して、他のチャネルも構築している。
「用意されているものはもちろんですが、私たちは潜在的なお客様に、その機能を体験していただいてから、本格的な導入を検討していただきたいと考えています。これにより、お客様は機能やその違いを実感することができます。もし継続することになった場合、同じツールを使うことができ、切り替えの必要もありません」と同氏は付け加えた。
これには新しい資本も関係してくる。Insightが積極的にアプローチを進めたため、Esperは「当社の軌道を加速させ、市場の成長をより早く予測するために、彼らと提携する機会に飛びつきました」とゴパラン氏は語る。
同氏は、今回の資金調達は、より多くの顧客を獲得するために活用したいと考えている。同社はこの分野ではリーダー的存在だが、常に改善の余地があり、Esperはマーケティングとパートナーシップを通じてそれを実現していくと説明している。
同社の次のステップは、製品の開発を継続し、顧客体験とカスタマーサポートを向上させることだ。
「近い将来、何百万台ものデバイスが単一のまとまりとして存在するようになり、それらのデバイスをどのように管理するのか、現在行っていることとどのように違うのかをお客様がイメージできるようにしなければなりません。我々は、この分野のリーダーであると自負しており、我々が構築しているカテゴリーは、ミッションクリティカルなデバイスに対応しています。お客様は、継続的に動作し、継続的に改善していくことを必要としており、我々はそれを可能にすることができます」とゴパラン氏は付け加えた。
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(文:Christine Hall、Akihito Mizukoshi)