German Bionicが第5世代のパワースーツ「Cray X」を発表、持ち上げと歩行の両方を支援可能に

German Bionic(ジャーマン・バイオニック)は2020年末、Samsung Catalyst Fund(サムスン・カタリスト・ファンド)が共同主導したシリーズAラウンドで2000万ドル(約22億7000万円)を調達したことを発表した。サムスンが独自にロボティクス外骨格技術を披露していることを考えると、この提携は不思議に思えた。筆者は数年前のCESで、サムスンの「GEMS(Gait Enhancing and Motivation System、歩行の強化と動機付けシステム)」を試したことがあるが、機能は限られているものの、歩行補助には十分な効果があった。

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もちろん、サムスンのロボティックスに対する野望をどれだけ真剣に受け止めればいいのか、全面的に明らかになっているわけではない。これまでのところ、同社の製品は主にショーのために作られているように見える。その一方で、German Bionicは以前からこの分野に取り組んできた。実際に同社はその外骨格パワースーツ「Cray X(クレイ・エックス)」の第5世代を発表したばかりで、数週間後に開催される来年のCESで展示されることになっている。

2022年初頭より出荷開始が予定されているこのシステムは、Hardware-as-a-Service(サービスとしてのハードウェア)のサブスクリプションモデルとして提供される。料金は月額499ドル(5万7000円)から。とはいえ、家の中で家具を動かすためにこのシステムを借りる人はいないだろう。

画像クレジット:German Bionic

この新モデルでは、1回の持ち上げ時に最大約30㎏の支援が可能だ。さらに、歩行支援機能も追加されている。これはCray Xシリーズ初のことであり、通常は別々の装置に分かれている支援機能が組み合わされている。これにより、第5世代のCray Xは「荷物をaからbに移動させる際に、脚を前方に優しく押し出すことで、荷物の持ち上げと歩行の両方を行う作業者の早期疲労を軽減し、エネルギーレベルを維持することができます」と、同社では述べている。

新モデルのCray XはIP54の防塵・防滴性能を備え、継続的なサポートのためにホットスワップ可能なバッテリーが新たに採用された。この分野ではGerman Bionicだけでなく、大小さまざまな企業が、人間とロボット作業者の境界線を曖昧にするために、肉体的に過酷な労働を機械的に支援する仕組みに取り組んでいる。しかし、German Bionicは、Ikea(イケア)やBMWをはじめとする企業からの多大な支持を受けている。

画像クレジット:German Bionic

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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