メルカリやLINEモール、FrilなどでCtoCコマースに注目が集まっているが、実は2003年からその領域に挑戦しているのがwajaだ。同社はこれまで、海外の個人バイヤーが現地で仕入れたファッションアイテムを、国内ユーザー向けに販売するマーケットプレイス「waja」を展開してきた。
この領域ではエニグモの「BUYMA」が一歩先を行っているが、wajaの特徴は、自社でフルフィルメントセンターを持っていることにある。東京・麻布のオフィス地下と埼玉県・入間にも倉庫を構えており、商品撮影から販売、配送までを手がけている。また最近では、このフルフィルメントを使ったアウトレットEC「REASON」も展開している。
そんなwajaが7月2日から開始したサービスが「FASHION CHARITY PROJECT(FCP)」だ。
FCPは、アパレルメーカーや個人が出品者となって不要になったファッションアイテムなどをwajaに送付するだけで、FCP上で商品を販売し、その売上を寄付できるサービス。販売はフラッシュマーケティングの手法で行われる予定で、5日間で50〜100点の商品が販売されるという。
出品者が販売代金を得られる訳ではないが、販売代金から手数料40%を差し引いた額がNPOに寄付される。寄付金の受領証明書も発行されるため、出品者は販売額の最大50%の寄付金控除を受けることができる。支援先のNPOはCivic Forceとピースウィンズ・ジャパンの2団体だが、今後は拡大していく予定だという。
waja代表取締役会長兼CEOの小安光司氏は、「チャリティを継続的かつスケールできるようにしたい。ファッションを通じて、売る人は不要品でチャリティができる、買う人は欲しいものを得られる。さらにNPOには支援ができる」とサービスについて語る。確かに自分自身を振り返ってみても、善意だけのチャリティでは災害や大きな事件があったときだけになりがちだ。この仕組みであれば、ユーザーだってあくまで商品を買うだけで支援できるのだから、継続性も生まれる。
またハイブランドやラグジュアリーブランドの場合、そのブランドイメージもあって、一部を除いてアウトレットなどに出店、出品するようなケースはほとんどない。だが在庫は在庫、売れないものは処分するしかないわけだ。中古品として流通させることだっていい印象がないとも聞く。そんなときに、チャリティーやCSRという名目で商品を売れるのであれば、ブランドイメージを壊すことがないどころか向上させることだってできるわけだ。
そんなこともあって、7月1日の夜に都内で開催されたFCPのお披露目イベントでは、LOUIS VUITTONをはじめ、PRADAやJIMMY CHOOといったブランドの出品が発表されていたそうだ。このほかにも、すでに約560のブランドが出品を決定しているという。そしてFCPでの取り組みをきっかけに、wajaが手がけるアウトレットECのREASONにも興味を持つブランドが増えているとのことで、「社会貢献+手数料モデルのビジネス」という枠にとどまらない商機を生み出しそうだ。