ビジネス版Airbnb「スペースマーケット」が海外勢抑え栄冠、B Dash Campプレゼンバトル「ピッチアリーナ」

福岡で開催中の「B Dash Camp」で18日、スタートアップのピッチコンテスト「ピッチアリーナ」が開催された。国内外100社以上が参加し、前日の予選を通過した12社が本戦でプレゼンを実施。本戦には韓国、台湾、インドネシアといった海外勢が半数以上を占め、国際色の強いコンテストとなった。最優秀チームには空きスペースを1時間単位で貸し借りできる「SPACEMARKET(スペースマーケット」が選ばれた。以下、出場各社とサービスを紹介する。

SPACEMARKET

会議やセミナー、イベントなどに使える空きスペースを持つオーナーと借り手をマッチングする。ビジネス版のAirbnbとも言えるサービス。映画館や古民家、お化け屋敷などユニークな空きスペースが多数掲載されている。スペースマーケット代表取締役の重松大輔氏によれば、伊豆大島の古民家で開発合宿が行われたり、映画館で株主総会が開かれたりしているそう。リリースから2カ月時点で、ユーザーに提示された見積もりの総額は9000万円を超える。売り上げは非公表だが、スペースマーケットは販売金額の20〜50%を徴収している。今後は物件数を増やすため、多くの遊休スペースを持つ大手不動産会社との提携も視野に入れている。

 

BountyHunter(台湾)

デザインコンペを開催するプラットフォーム。2011年にローンチし、これまでにGoogleやGigabyte、Lexus、Playboyなどが自社商品のためのコンペを実施している。商品デザインについては生産前に購入者を集めることもできる。デザイナーのクラウドソーシングサービスと言えそうだ。

Drivemode(アメリカ)

スマートフォンアプリで操作可能な運転支援システム。大きくて見やすいボタンをタップするだけで道順をナビしたり、音楽を再生できる。ユーザーの行動をもとに、行き先や連絡先などをリコメンドする機能を備える。Drivemodeはシリコンバレーに拠点を置く日本のスタートアップ。CEOの古賀洋吉氏は日本で学生時代にベンチャーを立ち上げた後、渡米してモバイルベンチャー、ベンチャーキャピタル、カーシェアリングサービスを手がけてきた人物。

あきっぱ

全国の空いている月極や個人の駐車場を1日500〜1000円で予約して利用できるサービス。「駐車場版Airbnb」を標榜する。スマホで予約でき、市場価格よりも平均40%安く借りられるのが利点だという。貸し手は駐車料金の60〜90%が得られるほか、特別な設備を導入する必要もない。現在、4万台以上の駐車場を掲載していて、来期は10万台を確保したいという。10%の稼働率で1日1万台の稼働を目指す。

iCHEF(台湾)

飲食店に特化したiPadを使ったクラウド型のPOSレジ。レジだけでなく、注文や座席の空席管理も行える。月額使用料は65ドルで1台のiPadが無償貸与される。共同創業者のKen Chen氏によれば、通常のPOSレジシステムと比べて40%ほどコストを抑えることができ、すでに3万件以上の取り引きがあるのだという。プレゼンでは日本語のユーザーインターフェイスのアプリが使われていて、日本への参入も視野にいれているようだ。

Keukey(韓国)

スマートフォンのタイプミスや文法ミスを修正してくれるアプリ。指摘された修正案は画面をスワイプするだけで反映されるため、わざわざカーソルを動かす手間が省ける。CEOのMinchul Kim氏によれば、アプリを使うことでタイピング速度が12%上がるのだといい、9月には日本語バージョンも追加する予定。

 

LEZHIN COMICS(韓国)

フリーミアムモデルのデジタルコミックサービス。約300冊の漫画の中から、1週間で1冊を無料で読める。毎月10冊以上の漫画を追加している。一般的にフリーミアムモデルの有料ユーザー率は全体の5%と言われるが、LEZHIN COMICSは読者の15%が有料で漫画を購読しているという。8月には日本にも進出する。

MINDQUAKE(韓国)

6歳以下の子どのアプリ利用を監視するアプリ。自分で利用時間を認識できるようにするため、子どもに親しみやすいたまご型のタイマーで利用可能な時間を表示する。

LOGBOOK

知識がなくてもウェブサービスやスマホアプリのサービスの課題を発見し、改善プロセスを回せるグロースハックのプラットフォーム。サービス分析の基本フレームワーク「AARRR」に沿っており、業種を問わずサービスの改善を行う。改善すべきポイントをハイライト表示することで、「分析ツールは入れてみたものの、どこを見ればよいのかわからない」といった問題を解決できるのだとか。現在、事前登録者は300ユーザー。A/BテストのKAIZEN platformと提携している。

 

TEXTAT(韓国)

LINEやカカオトーク、WhatsAppなどのメッセージングアプリからエクスポートしたテキストを解析し、相手が自分のことをどう思っているかがわかるサービス。「会いたい」や「淋しい」といったテキストの内容だけでなく、返信時間も踏まえた上でお互いの関係性を分析する。2013年にローンチし、60万ダウンロードを突破。現在は韓国語しか対応していないが、今夏に日本語バージョンも提供する。

Shakr(韓国)

中小企業向けの動画広告制作サービス。写真をドラッグ&ドロップしてテキストを入れるだけで、動画を自動的に作成する。「アプリ&ゲーム」「宿泊&不動産」「自動車」といったテーマ別のテンプレを用意している。無料版もあるが、ユーザーの35%が多くのテンプレを選べる有料版に登録しているという。今夏までに4500のテンプレを用意する。18日には日本語サイトを開設した。

 

Tees.co.id(インドネシア)
自分でデザインしたTシャツやマグカップなどを販売できるサイト。買い手が現れた場合、製造や配送、カスタマーサービスまでを代行してもらえる。ユーザーはデザインをアップロードするだけで、在庫を一切持たないでよいのがメリット。現在、3万点のデザインが掲載されていて、収益は毎月30%増えている。


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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。