Facebookのつながりを活用したソーシャルリクルーティングサイト「Wantedly」が19日、ユーザーがフォローする会社や知人の最新動向を一覧できるニュースフィード機能を導入した。ウォンテッドリー代表取締役の仲暁子によれば、最近のWantedlyは、イベントや仕事で会ったユーザー同士がつながったり、企業が自社ブランディングに活用するなど、求人以外の使われ方も目立ってきているという。Facebookライクなニュースフィード機能をリリースすることで、ユーザーと企業の距離感をさらに近づける狙いがあるようだ。
Wantedlyの月間ユーザーは約40万人に上り、1日あたり100組の知人の新しいつながりが生まれているのだという。ニュースフィードではこうした「仕事でつながった知人」の情報を一覧できるようになる。ニュースフィードで受け取れるのは、フォロー中の会社の投稿や知人の新しいつながり、知人の新しい紹介文(mixiの他己紹介的なメッセージ)、知人が書いた新しい紹介文、知人の応援している求人募集。まずはウェブ版から提供を開始し、順次モバイルにも対応していく。
ニュースフィードに先立ちウォンテッドリーは7月28日、求人企業が社内の活動や告知を投稿できる「会社フィード」機能をリリースした。Facebookのいいね!に近い機能だが、求人企業は自社をフォローしたユーザーのプロフィールを閲覧できる点が異なり、潜在的な採用候補者を抱えることができる。ユーザーにとっては、気になる求人企業を「フォロー」することで、Wantedlyの募集要項だけでは伝わりにくい会社の様子がわかるのがメリット。そのタイミングで仕事を探していなくても、フォローした企業が新たに求人募集した際にはプッシュ通知を受け取れるのも利点だ。
ビジネスSNSとしての側面を持ち始めたWantedlyだが、ニュースフィードや会社フィードといったソーシャル機能を強化する狙いは、「ユーザーが求人にエントリーする際の心理的なハードルを下げることにある」。というのも、ユーザーにとってWantedlyは、採用に至るまでに若干遠回りなサービスであるからだ。
ユーザーが求人企業にアプローチするには、企業のページの「話を聞きに行きたい」ボタンを押してエントリーした上で、企業に興味を持ってもらえた場合にオフィスに招待してもらう必要がある。(ユーザーのプロフィールを見た求人企業からスカウトのメールが届く場合もある)。さらに言うと、Wantedlyは他の求人サイトと異なり、報酬の記載欄が存在しない。条件面ではなく、やりがいや理念で仕事をマッチングすることを重視しているためだ。求人ページには、どんな人材を募集しているのかは事細かく紹介されているものの、待遇面は最終段階で詰めていく。
しかし、会社フィードで「会社をフォロー」するという選択肢ができたことで、ユーザーは気になる会社を気軽にウォッチできるようになったと、仲は語る。「今まではエントリーする人にとってハードルが高かったかもしれませんが、会社をフォローするだけなら心理的な負担は軽くなる。ユーザーとしてはフォローした後、その会社に興味を持てばエントリーすればいい」。