GoProはHeroアクション・カメラの新シリーズを発表した。ハイエンドのHero 4では初めてタッチスクリーン・ディスプレイを背面に備えたシルバーモデル、4Kビデオが撮影できるブラックモデルが登場した。
しかしいちばん興味をひかれたのはHeroと名付けられたエントリーモデルだ。Heroはアクションカメラというカテゴリーを次のレベルに引き上げる製品だと思う。
HeroはこれまでのGoProのホワイトモデルに相当する。しかし今回の新しいHeroは本体の防水ハウジングや低光量時に自動的に最適化されるモードなど、ライバルが到底及ばない機能を詰め込みながら129ドルときわめてアグレッシブな価格設定になっている。
ホワイトモデルから60ドル値下げするために新しいHeroはWi-Fi接続などいくつかの機能を削っている。つまりこのモデルはスマートフォンからコントロールすることはできず、コンピュータとの接続にはUSBケーブルを使う必要がある。しかしこれは実際に使用する上ではそれほど決定的な不便ではない。特に初めてGoProを使うユーザーにはほとんど気にならないだろう。またセミプロの私もWi-Fi接続はそれほど利用していない。そもそも泥、雪、水中といった厳しい条件ではスマートフォンを携帯することができない。
GoProの価格戦略はこの分野への新たな参入者、たとえば、Cubeアクションカメラを99ドルで売りだしたPolaroidなどにとって手強いハードルになるだろう。CubeにはWi-Fiがないだけでなく、そのままでは防水機能も、GoProのProTuneソフトウェアもない。この分野の初心者向けには低価格のPolaroid Cubeの方が向いているという評判だったが、Heroの登場で価格差は100ドルから30ドルへと大幅に縮小した。こうなれば長年にわたる実績があり、さまざまなマウントを始めとする豊富なアクセサリを揃えたGoPro Heroの方がはるかに有利になるだろう。
129ドルなら、多くの人々が新しいアウトドアの動画記録を始めることになるだろう。また Heroを3台揃えて異なるアングルから同時に撮影すればHero 4ブラックモデル1台で撮影するよりはるかに変化に富んだ作品ができそうだ。公開先がiMaxシアターではなくてYouTubeならますますそうだ。
トップエンドのHero4、特に4Kビデオが撮影できるブラックモデルはネイチャーやエクストリーム・スポーツなどを対象とするプロ、セミプロの映像作家の創作意欲をかきたてているが、Heroはアクションカメラ市場の裾野を大きく広げる画期的な製品だ。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)