SEOは、随分前から存在するコンセプトであるため、するべき取り組み、そして、するべきではない取り組みを簡単に解明することが出来るはず…
…だと良いのだが
SEOは進化を続けており、それが、SEOのSEOたる所以である。つまり、過去の情報を参考にすることは出来ない。さらに、エキスパートではなくても、ブログを開設して、SEOに関する記事を書くことが出来る、等の誤解が多数生じている。
そこで今回は、信じている人が多いSEOの嘘を7点紹介していく:
嘘 #1: オーソリティのサイトにコンテンツを再配信してもらうと得をする。
通常、有名なオーソリティのサイトにコンテンツを再配信してもらえると、プラスに働くように思える。被リンクを獲得し、トラフィック、さらには、売り上げの増加も期待できる。
しかし、コンテンツの再配信すると、コンテンツが重複する問題を引き起こしてしまう。つまり、オーソリティのサイトがリンクを張っていても、Googleは、オーソリティのサイトを上位にランク付けする可能性がある。最悪の場合、パンダアップデートによって、ペナルティを科されるかもしれない。
KISSmetricsブログが良い例だ。コンテンツの重複が原因でパンダペナルティを受けてしまった。
上のグラフにも示されているように、オーソリティのサイトによるコンテンツの再配信を認めたため、トラフィックが29%も減少したことがあった。
しかし、オーソリティのサイトに、1つのルールに従ってもらうことが出来るなら、十分に実施する価値はある。そのルールとは、URLに向かうcanonicalタグを利用してもらうことだ。重複するコンテンツが原因で、ペナルティーを与えられる事態を回避するには、このルールに従ってもらうしかない。
嘘 #2: 質の低いリンクはランキングに良くない影響を与える
Googleがリンクの否認ツールをリリースした頃、大勢のマーケッターが、このツールを過剰に利用した。質の低いリンクは、全てランキングを落とすのではないか、と疑心暗鬼になっていたのだろう。この考え方は、ある程度において、間違えてはいない。劣悪なリンクは、ランキングを落とす可能性がある。しかし、実際にランキングが下がるのは、ごく稀である。
Googleは、リンク構築を介したアルゴリズムの操作を阻止しようとしている。
ウェブサイトに向かう多くの品質の低いリンクは、品質の低いアグリゲータサイトから寄せられている。Cloudflare等のサービスを使って、一部のリンクを食い止めることは出来るものの、被害妄想に襲われ、気に入らないリンクを全て否認するような常軌を逸した行為には走らないでもらいたい。
サイトの規模が大きければ大きいほど、リンクを張るゴミレベルのサイトは増える。このようなリンクを促すべきではないが、取れる対応にも限りがある。リンクを否認しても構わないが、このようなアグリゲータサイトからのリンクが原因で、ペナルティを科されるケースは稀である。
Quick Sproutを例にとって考えてみよう。 Quick Sproutは、144,000本の被リンクを10,000のドメインから得ている。そのうち、581本は、質の低いアグリゲータサイトから寄せられている。しかし、Quick Sproutを開設してから今年で7年が経過するが、それが理由でペナルティを受けたことは一度もない。
そのため、この類の質の低いリンクについて心配するのではなく、良い製品/サービスを作り、優れたコンテンツを作成することに時間を割くべきである。間違えても、ランキングを操作するためにリンクを買う行為は避ける必要がある。
嘘 #3: コンテンツのページが多ければ多いほど良い
コンテンツマーケティングは、全てのサイトに向いているわけではない。例えば、ヘッジファンドを経営していると仮定する。 ヘッジファンドは、ファンドに大金を投資させて、収益の一部を会社が受け取るシステムを採用している。
ブログ、または、コンテンツのページを多数作る点に関してネックとなるのは、トピックが面白味に欠け、つまらない点である。つまり、ソーシャルウェブでコンテンツをシェアする人やリンクを張ってくれる人は、ほとんどいない。
コンテンツのページをサイトに加える前に、オーディエンスが本当にページをシェアし、リンクを張りたいかどうかを考えてもらいたい。どれだけ質の高いコンテンツを作ったとしても、リンクを張ってもらえないなら、あるいは、シェアしえもらえないなら、検索トラフィックの増加は見込めない。反対にトラフィックにマイナスの影響を与える可能性もある。
以前、Advice Monkeyと言うサイトを作ったことがある。誰にも読んでもらえなかったものの、1000を超えるコンテンツのページを私は作った。コンテンツの質は割と高かったが、記事にリンクを張ってくれる人は少なかった。最終的に、検索トラフィックが下がる有様であった。そこで、コンテンツを削除したところ、検索トラフィックは少しずつ増えていった。
嘘 #4: リンクを買うべきではない
ランキングを操作する可能性があるため、検索エンジンは、リンクの売買を嫌う。しかし、リンクを買うべきではない、と言い切ることが出来るわけでもない。
リンクは、ビジネスに収益をもたらす優れた手段である。例えば、私は、Crazy Eggを立ち上げる前に、1万ドル相当のリンクと広告をCSS Galleriesから獲得した。その結果、月間の経常利益が2000ドル以上増えた。そのうちの一部は、今でもCrazy Eggを利用しており、このリンク購入アプローチが利益をもたらしたことは、明らかである。
検索エンジンの怒りを買うことなく、リンクを買うにはどうすればいいのだろうか?リンクをnofollowすればよい。すると、SEOにダメージを与えることなく、検索エンジンに対して、リンクのカウントをしないように伝え、尚且つ、トラフィックと収益を獲得することが可能になる。
嘘 #5: 直帰率が高いとランキングが下がる
分析に関する知識には自信がある。私は分析サービスを提供する会社を2つ共同で創設したことがあり、また、分析を介して、大勢の会社が利益を獲得する上で貢献してきた。
大勢のマーケッターは、直帰率が高くなると、ランキングが低くなると指摘している。そのため、直帰率を低くする必要がある、と考えがちである。
直帰率の低さは長所に数えられるものの、ランキングが高くなるわけではない。TechCrunch、Gawker Media、Amazon、そして、Microsoft等の様々なサイトのSEOを担当した経験があるが、直帰率とランキングの間の相関関係が見られたことはない。
私が仕事を請け負った会社の多くは、規模が大きい。この規模が、原因だった可能性は否定できない。しかし、小規模なサイトであっても、直帰率の変化が、検索トラフィックを大きく増減するケースに私は遭遇したことがない。
嘘 #6: A/Bテストはランキングを下げる
A/Bテストがネガティブな影響を与えてしまうなら、GoogleがA/Bテストツールを用意するはずがない。Google アナリティクスの「行動」の項目にあるウェブベストをチェックしてみよう。これはGoogle版のA/Bテストである。
一時的にコンテンツが重複してしまう可能性はあるが、コンバージョン率が上がる可能性があり、最終的に相殺される。また、私は何度もA/Bテストを実施した経験があるが、トラフィックが減ったことは今まで一度もない。
私の個人的なサイトのホームページを見てほしい。下のイメージを見れば分かるように、このページにはほとんどコンテンツが存在しない。それでも、重複するバージョンを幾つも展開している。
私はこのサイトで継続的にA/Bテストを実施し、他のビジネスでも同じようにA/Bテストを行っている。テストを行ったために、ランキングが落ちたことは、一度もない。
心配なら、別のバリエーションをインデックスから外し、コンテンツの重複を避ければ良い。
嘘 #7: ベストなコンテンツは自分のサイトで配信するべき
そのウェブサイトは、どの程度のトラフィックを得ているだろうか?恐らく、ForbesやHuffington Postよりも遥かに少ないはずだ。それでは、自分のサイトで素晴らしいコンテンツを投稿したら、どんなことが起きるのだろうか?
運が良ければ、トラフィックは倍増するかもしれない…しかし、その可能性は限りなくゼロに近い。
別のブログ/サイトにコンテンツを投稿する方が、メリットは大きいのではないだろうか?
「コンテンツは王様」と言う表現は正しいが、別のサイトに掲載すると、トラフィックだけでなく、収益まで増える可能性がある。さらに、信頼の高いリンクが作られ、時間の経過と共に、ランキングにプラスの影響を与えるようになる。
一ヵ月に10,000 – 20,000名のビジターがアクセスする小規模なブログを運営しているなら、一ヵ月に100万人がアクセスするブログに最高の作品を投稿する方が、効果は高い。
結論
何らかの指摘をどこかのSEO関連のサイトで目にしたとしても、それが正しいとは限らない。つまり、Quick Sproutで、私が何らかのアドバイスを送ったとしても、常にそのアドバイスが正しいとは限らない。事実、誤りを指摘されたことが何度もある。それは構わない。
とりわけSEOとマーケティングにおいては、それぞれの取り組みが功を奏する仕組みを理解する努力が求められる。SEOは常に進化しており、検索結果を席巻したいなら、常に最新の情報を把握しなければならない。
SEOに関する嘘をその他にもご存知なら、コメント欄で紹介してもらいたい。
この記事は、Quick Sproutに掲載された「7 Lies About SEO You Probably Believe」を翻訳した内容です。