Apple、iPhone 6でAndroidからシェアを奪回、8–10月期は記録的な好成績―日本のみ例外(Kantar調べ)

Appleはここ数年、さまざまな機能を詰め込んだ低価格Android機にシェアを奪われてきた。しかしここに来て最新のiPhone 6シリーズの大成功で少しではあるがシェア奪回に成功したようだ。われわれは10月末に速報を紹介したが、今回私はKantarの主席研究員でアメリカ調査部門の責任者、Carolina Milanesiに取材してさらに詳しい説明を受けた。

WPPグループの調査会社 Kantar Worldpanelが発表した最新の統計によれば、8月1日から10月31日までの3ヶ月で、日本を除く世界中ほとんどすべての市場でAppleのスマートフォンのシェアは微増している。これに対してAndroidのシェアは微減している地域が多い。iPhoneが依然スマートフォンのリーダーであることは明らかで、これは当分続きそうだ。

Android陣営については、地域によってリーダーが異なる。中国ではシャオミー(小米)がシェアトップだが、他の多くの市場では依然Samsungが1位だ。 Milanesiは私の取材に対して「(Android機のメーカーは)Samsungからシェアを奪えず、互いにシェアを奪い合っている」と説明した。例外はアメリカ市場で、LGがSamsungから少しだがシェアを奪った。

ヨーロッパの5大市場、イギリス、ドイツ、フランス、イタリー、スペインではAndroidが70%弱のシェアを占めている。しかし前年同期と比べると2.6%ポイントの下落だ。一方Appleは6ポイント近くアップして20.7%に達した。特にイギリスではAppleは今やスマートフォンの40%のシェアを占めている。昨年同期に比べて10.4ポイントの増加だ。

特にイギリスではiPhone 6が6 Plusに対してて4倍も多く売れたという。統計で実証された数字ではないが、大型の6 Plusは男性に好まれる傾向があるという。Kantarの統計によると、全売上の34%が16-24際のグループによるもので、全購入者の64%が男性であり、Kantarの説明によれば「iPhone 6購入の動機のトップは、4G (51%)、画面サイズ (49%) 、デザイン(45%)」だという。またイギリスにおけるiPhone 6の販売台数の31%は実店舗のAppleストアによるものだ。

Appleがすでに十分成功を収めた市場の動向はやや異なる。アメリカでのiPhoneのシェアは「0.7%の微増」にとどまった。

またアメリカではアンロック版スマートフォンがヨーロッパほど普及していない。iPhoneのキャリアに関してはVerizonが42.2%、AT&T 41.4%と完全に2強状態だ。ただしAT&Tは利幅の大きいiPhone 6 Pluのセールスでは63%と好調だった。

アメリカではiPhone 6がiPhone 6 Plusの3倍程度売れている。6 Plusの購入者は6よりもやや年齢が上だという。

「発売後1ヶ月でiPhone 6は33%の市場シェアを獲得し、8-10月期でもっとも売れたiOSデバイスとなった。iPhone 5sは26%で2位、iPhone 5cが18%で3位、iPhone 6 Plusは10%だった」Milanesiは説明した。

Appleはヨーロッパで大幅な伸びを見せたが、Asiaではさほどでもなかった。

中国ではAppleのシェアは前年同期に対して0.2ポイントアップの15.7%だった。売上が伸びなかった理由は10月にはいるまでiPhone 6の販売を開始できなかったことが大きい。シャオミーはシェア30%を獲得してトップに立った。iPhone 6は10月17日から31日までの期間の販売しか計上されていないにもかかわらず、シェアは3位だった。

ところが、世界中で一箇所だけAppleのシェアが大幅に減少した大市場がある。日本だ。ここ数年、日本はiPhoneのシェアがもっとも高い市場だったし、日本の市場調査でも依然としてトップの売れ行きを示している。われわれはKantarにこの現象の原因についてコメントを求めている。あるいは製品の供給がネックになったのかもしれない。

下に詳しい対話的統計レポートをエンベッドしておく。

〔日本版〕10/30の速報記事の日本版注でも日本市場におけるiPhoneシェアの大幅減について触れたが、Kantar側でも正確な原因がつかめていないようだ。引き続き注目したい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


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TechCrunch Japan

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