あらゆるオーディオデバイスの音質をアップするAfterMasterのチップにJustin Timberlakeが経営参加

AfterMasterは、家庭のステレオ装置やテレビやヘッドフォーンなどの中にオーディオのエキスパートたちが入り込んで、音質を向上させてくれるようなものだ。そのAfterMasterチップは、どんなデバイスでも、それが出力する音の質を最適化し、より豊かで澄んだ音にする。基本的にこのチップは、音を大幅にリッチにして、音を圧縮する前のマスター録音を超ハイファイのオーディオ装置で聴くような音にする。Spotifyのストリーミングをデスクトップのスピーカーで聴いてるような場合ですら。

今年で創業8年になるAfterMasterは、ON Semiconductorとパートナーしてその技術をチップ化し、どんなデバイスにも組み込めるようにした。そして、このほどスーパースターのJustin Timberlakeが共同経営者になったので、人気も上がり、売上も伸びるだろう。

CESのAfterMasterのブースで、テレビの音を聴き比べることができた。同じ曲をAfterMasterのチップありとなしで鳴らしている様子を、上のビデオで見られる。

オーディオに関するぼくの意見は、かなり信憑性が高い、と思っている。HDと圧縮オーディオ(MP3など)を聴き分けるテストに高得点で合格したし、15歳のころからDJをやっている。

デモを聴いた感想としては、AfterMasterは中音をよりリッチにし、音の細かい組織がよく聴こえ、力強い音になる。カセットテープで聴いていた曲を、ビニルのアルバムで聴いたときみたいに。各楽器と各トラックがよく分かり(はっきり聴き分けられ)、そのため音質と音の広がりがともに良くなる。また音のエコー感が減り、大きなコンサート会場のぼわーんとした音ではなくなる。

弱点としては、高音がやや濁る気がした。また、ボーカルがバックの音に吸収されて、あまり目立たなく(耳立たなく?)なる。またベースがでかい音で鳴ったりすると、わずかに残響音が聴こえる。

AfterMasterのチップはオーディオをリアルタイムで処理し、デバイスの特性に合わせて音質を変える。マドンナやマイケル・ジャクソンのアルバムのエンジニアを務めたこともある協同ファウンダのLarry Ryckmanは、このチップはオーディオデバイスの欠陥を補う、と言う。たとえば低音が極端すぎるヘッドフォーンや、小型スピーカーの安っぽい高音など。

結論としてAfterMasterは、確かに表面的に音を改良する。オーディオファンの中には、アーチストが作った音に介入する、と批判する人がいるかもしれない。でも一般的には、お粗末な音のスピーカーやヘッドフォーンで音楽を聴く機会が圧倒的に多いのだから、われわれの耳を救助する企業にTimberlakeが参加したのは、賢明な決定だったと言えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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