アウトドア地図アプリ「YAMAP」が栄冠、B Dash Campプレゼンバトル「ピッチアリーナ」

pa01

B Dash Venturesの渡辺洋行社長(左)とセフリの春山慶彦社長(右)

 

福岡で開催中の「B Dash Camp」で10日、スタートアップのピッチコンテスト「ピッチアリーナ」が開催された。国内外54社が参加し、前日の予選を通過した12社が本戦でプレゼンを実施。本戦には韓国や台湾、タイなどの海外勢が9社半数以上を占め、国際色の強いコンテストとなった。最優秀チームにはアウトドア向けの地図アプリ「YAMAP」を手がけるセフリが選ばれた。以下、出場各社とサービスを紹介する。

YAMAP(最優秀チーム)
携帯の電波が届かない状態でも、スマートフォンで現在位置がわかる地図アプリ。地図を印刷して持ち歩くこともできる。利用シーンは登山、スキー、スノーボード、釣りなどアウトドア全般を想定。特に近年社会問題化しているという「山での遭難事故」を解決したいという。2013年3月にリリースし、ダウンロード数は10万件。アプリには自分のアウトドア用品を登録する欄があり、これと連動するアウトドア用品の比較評価アプリをまもなくリリースする予定。ちなみにYAMAPはTechCrunch Tokyo 2013のファイナリストでもあった。

VIDEO SELFIE(審査員特別賞)
加工機能のついた動画撮影アプリ。顔をリアルタイムでトラッキングし、顔の位置、距離に合わせて画像や音楽でデコレーションできる。2014年11月から50万ダウンロード。MAUは7万5000人。

CREVO(PayPal賞)
クラウドソーシングを活用したアニメーション動画制作サービス。企画から納品までをサポートする。国内外のクリエイター1000人が登録し、このうち7割は海外のクリエイター。リリースから1年間で250社が導入している。価格は18万円〜。過去にはhuluのテレビCM動画を作った実績もある。

MakeLeaps
フリーランスや中小企業向けの見積書・請求書オンライン作成・管理・郵送ツール。楽天などもサービスを導入しており、98.3%のリテンション率を誇る。これまでに500Startupsをはじめとして、75万ドルを調達。

BookTrack
音声付き電子書籍プラットフォーム。本を読んでいる位置をトラッキングし、その動きと同期して音楽やエフェクトを付け流ことができる電子書籍。サービスは1年3カ月前にスタート。これまで30カ国200万ユーザーが利用している。学校用のプログラムは1700校、2万5000人が利用している。

CATFI
ネットワーク接続する体重計付き自動給餌器。以前の名称は「Bisrto」でクラウドファンディングのIndiegogoなどにも出展していた。スマートフォンを通じて、ネコの食事量や体重を管理。猫向けの顔認識機能により、複数の猫への給餌が可能。また猫の健康状態に合わせて最適な餌を提供する。

PopUp Immo
法人向けの賃貸物件版のAirbnb。数週間とか短期間にだけレンタルするニーズに対応する。保険などもカバー。フランスのパリでサービスを展開。すでに大手企業からの引き合いもあるのだそうだ。ビジネスモデルは20%の手数料。今後は年末までに1500スペース(現在は500スペース)まで拡大。さらにアジア圏でのサービス展開を検討している。

Sellsuki

東南アジアのECサイト向けツール。東南アジアでは、ECサイトとのチャットを通じて購買まで至るようなECサイトもあるそうなのだが、そういったサイト向けの注文管理やコミュニケーションを管理できる。7000人(店舗)がサービスに登録

ChattingCat
英語のネイティブスピーカーに、自分の英語を添削してもらえるサービス。韓国人創業者のApril Kim氏によれば、世界で一番使われている言語は「ヘタな英語」。自身もその1人で、実際に先生に添削してもらった経験がある。これをオンラインで提供しようと、サービスを開発した。ユーザーは英文を入力すると、平均4分以内に世界中で登録している600人以上のネイティブスピーカーに添削してもらえる。

EatMe
レストランのディスカウントクーポンを配布する台湾のアプリ。ユーザーは2000店舗以上のレストランを検索できる。店舗側は、クーポンの利用状況に応じて、どんなキャンペーンがユーザーに刺さるかがわかる。年間で10万ユーザーが利用しているという。

FANDORA
クリエイターが投稿したキャラクターやイラストをグッズ化し、販売できるプラットフォーム。台湾で2013年にスタートした。1500人以上のクリエイターが登録し、4万点以上の商品が購入可能となっている。すでに130万ドルの資金調達を実施し、翌年には日本、中国、東南アジアにも進出する予定。

フリップデスク
スマホECサイト上で実店舗のような販促・接客を提供するASPサービス。サイトに埋め込んだタグによって訪問者の行動を解析し、最適な販促を行う。例えば、購入を迷っている新規ユーザーを判別し、オーバーレイコンテンツやクーポンを配布したり、チャットでサポートすることができる。販売開始7カ月で約200サイトが導入している。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。