Appleはこのところ検索の改良に努めているが、今日(米国時間6/8)はモバイルで大きな発表があった。AppleがiOS 9で導入する検索APIでは、デベロッパが自分のアプリの外部をインデクシングしてリンクできるため、ネイティブの検索から外部のコンテンツを発見できる。つまりこれからは、アプリやWeb上のコンテンツだけでなく、ユーザのデバイス上のアプリにあるものなら何でも、Appleの検索機能Spotlightで検索できるようになる。
それだけではなく、これからは、その日もっともよく使うコンタクトやアプリも検索できるようになる。アプリ内検索の結果における、それらの項目の優先順はまだ不明だが、やはり、いちばん最近アップデートされたコンテンツなどより、ユーザがよく使うアプリが優先されるのだろう。
アプリ内からのこのような検索を支える技術はディープリンクと呼ばれ、すでにQuixeyやDeepLink、Branch、Buttonなどが、アプリとそれらの中のコンテンツをリンクするサービスを提供している。それは、従来の検索が、Web上のコンテンツをインデクシングするのと同じような技術だ。
今日のWWDCのデモでは、検索ウィンドウから”potatoes”を検索すると、Yummlyというサードパーティアプリのレシピが拾われた。
アプリ内からほかのアプリへリンクする、このディープリンクという技術はAppleだけのものではなく、5月にはGoogleが、ユーザが自機の上にインストールしていないアプリから検索結果を拾ってみせた。その機能はすぐに、iOS上のGoogle検索アプリにも実装された。それは、2年前から開発が始まっていた技術だ。
Googleのねらいは、ユーザがまだインストールしていないアプリにも関心を持ち、いずれそれらをインストールしてくれることだ。Googleの場合、そういうアプリを対象とする検索は通常のGoogle検索と、スマートフォン上のネイティブ検索アプリからできる。Appleの場合は、ディープリンクがiOS本体の機能になる。
この前Appleが発表したApp Extensions機能は、アプリ同士がデータやToday画面上のウィジェットなどを共有したり、Photosアプリ内の写真フィルタを使ったり、カスタムキーボードを使ったりするための拡張APIだった。
今回、検索でもアプリ間の相互通信がサポートされたことは、Appleのユーザにとって便利であるだけでなく、AndroidからiOSへの移行を阻害していた要素を取り除くことにもなる。また将来について極論すれば、今まで知らなかったアプリを検索を通じて知る機会が得られ、検索が未知のアプリを評価するための重要な手段になるかもしれない。